♪戻れぬ時間
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天念寺と川中不動−国東半島を訪ねて(9)
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豊後高田市の中心街から東へ10数kmのところに、六郷満山中山本寺(なかやまほんじ)の一つで養老2年(718年)、仁聞菩薩(にんもんぼさつ)によって聞基されたと言われる『天念寺』があります。背後には、天念寺耶馬と呼ばれる奇岩秀峰が連なり、天念寺は、六郷山寺院の僧侶たちが参画する「峯入り」と呼ばれる山岳修練の中でも重要な寺であり、かつては十二坊として成立していたと言われます。茅葺の天念寺講堂では、現在でも毎年旧正月7日に、赤鬼と黒鬼が松明を持って暴れまわり、国家安穏・五穀豊穣・万民快楽(けらく)を祈願する『修正鬼会(しゅじょうおにえ)』と呼ばれる仏教行事が行なわれています。天念寺のすぐ前には、長岩屋川の中にある巨岩に不動三尊が刻まれた『川中不動』があります。             (旅した日 2005年06月)
■レポート 『修正鬼会(しゅじょうおにえ)』 もあわせてご覧下さい。
天念寺
岩屋堂形式の講堂と旧六所権現(現在の身濯(みすすぎ)神社)。この写真の右側に本堂があります。本堂には、釈迦如来坐像、日光・月光菩薩立像、吉祥天立像などの平安仏が安置されています。
旧六所権現
講堂
毎年旧正月7日に行なわれる修正鬼会の舞台となる場所で、主尊に薬師如来座像、脇侍(わきじ)に月光菩薩立像が祀られています。
    しゅじょうおにえ
修正鬼会(国の重要無形民俗文化財)
修正鬼会の鬼は人々に幸せをもたらす良い鬼で、赤鬼は災払鬼(さいばらいおに)で愛染明王(あいぜんみょうおう)の、黒鬼は鎮鬼(しずめおに)で不動明王(ふどうみょうおう)の化身といわれています。松明の煙が立ち込め、火の粉が飛び散る中で、見物客は鬼に背中やお尻を松明で叩いてもらって無病息災を祈ります。『鬼会の里』の公式ホームページで、修正鬼会の様子を見ることができます。
修正鬼会の鬼は人々に幸せをもたらす良い鬼で、国東の鬼の面には角がないと言われますが、『鬼会の里』の植え込みの木に掛けてあった大きな赤鬼の面には、なぜか角がありました。
鬼会の里(長岩屋伝統文化伝習施設)

天念寺耶馬を背景にした長岩屋伝統文化伝習施設・『鬼会の里』。長岩屋地区住民で構成している天念寺周辺整備開発委員会によって運営されています。天念寺周辺の環境整備の促進と修正鬼会の保存と継承、都市交流を目的にしています。『木造阿弥陀如来立像』(国指定重要文化財)や勢至菩薩、千手観音が展示され、『修正鬼会』の資料と鬼会のビデオを観ることができます。

川中不動
天念寺のすぐ前を流れる長岩屋川は、古来より大雨のたびに氾濫を繰り返し、天念寺に幾度となく被害を与えてきたと言われ、『川中不動』は江戸時代の中期、そんな天念寺の水害除けに刻まれたものと伝えられています。長岩屋川の中にある巨岩に、像高3.23mの『不動明王立像』2.05mの『コンガラ童子立像』1.73mの『セイタカ童子』の三尊が刻まれています
宇佐神宮熊野磨崖仏富貴寺両子寺青宇田画像姫島キツネ踊り旧千燈寺跡
文殊仙寺天念寺と川中不動岩戸寺田染荘長安寺  レポート ・国東六郷満山
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