♪戻れぬ時間
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岩戸寺−国東半島を訪ねて(10)
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国東半島の中央にそびえる両子山と文殊山の北東、国東町の北のはずれに位置する岩戸寺(大分県国東町)は、養老3年(719)に仁聞菩薩(にもんぼさつ)の開創と伝えられる六郷満山末山(すえやま)本寺の一つでした。全盛時には、山六坊、里六坊の十二坊を有し、六郷満山のなかでも民衆教化・布教の地として重要な地位にありましたが、兵火に遭って全山焼失した後衰退しました。満山寺院の特色である山寺形式をよく残し、平安後期のカヤの一木彫の本尊薬師如来像、国宝・国東塔、銘のあるものとしては最古のものと言われる仁王像など、多くの有形文化財を残している寺です。そして、今では少なくなった『修正鬼会(しゅじょうおにえ)』(国の重要無形民俗文化財)が、成仏寺(国東町)と一年交代で行なわれています。      (旅した日 2005年06月)
岩戸寺
岩戸寺の本尊は、高さ95.5cmのカヤの一木彫薬師如来像です。六郷満山を開いた仁聞菩薩(にもんぼさつ)による平安時代後期の作と伝えられる千年以上の年月を経た秀逸作品といわれます。
仁王像
寺の入口に立つ一対の仁王像。岩戸寺の仁王像には、文明10年(1478年)の銘があり、銘のある仁王像としてはわが国最古のものであるといわれています。
講堂
簡素にして茅葺きの屋根が美しい岩戸寺講堂成仏寺(国東町)と一年交代で行なっている『修正鬼会(しゅじょうおにえ)』の舞台になります。岩戸寺の鬼は講堂を出て「鬼はよ〜、来世(らいしょ)はよ〜」と叫びながら地区の家々をまわり、ご馳走や酒を振舞われるのだそうです。鬼会は、岩戸寺で1,000年以上続いた行事です。
国宝・国東塔
国東塔(くにさきとう)とは、国東半島に数多く見られる納経や生前供養、墓標などの目的で造られた宝塔。岩戸寺の国東塔(写真左)は、弘安6年(1283年)の銘がある高さ3.4mの宝塔です。国東半島に約150基ばかりある中で最古・最優の国東塔であると言われ、国宝に指定されています。国東塔のすぐ上方には、崖を掘り込んで仏棚をにしつらえて、手のひらに乗るぐらいの仏像が置いてありました(写真右)。
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