♪戻れぬ時間
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熊野磨崖仏−国東半島を訪ねて(2)
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豊後高田市田染(たしぶ)地区の最南端、山香(やまが)町と境を分ける山鋸山は奇岩奇峰の山です。その西麓にある国東六郷満山の拠点の一つである胎蔵寺(たいぞうじ)から山道を約300m程登ると、鬼が一夜で築いたと伝えられる自然石の乱積石段にかかります。この石段を登ると大粒の礫(れき)混じりの巨岩壁に、大日如来と不動明王の雄大な石仏の威容が浮かび上がります。右側が全身高さ6.8mの大日如来像、左側が総高8mの不動明王像です。これらの石仏群が熊野磨崖仏です。造立されたのは藤原末期(1100年代)と推定され、900年の時空を越えて佇(たたず)み続けている石仏です。厚肉彫りの雄大、荘厳な磨崖仏であるため、国指定史跡でありながら美術工芸品としての価値が高いものとして国の重要文化財指定も併せて受けています。      
                                           (旅した日 2005年06月)
熊野磨崖仏(国指定史跡・重要文化財)
訪れた日は、早朝に参拝で、その日の一番乗りでしたが、往復30分はゆうにかかる自然石の乱積石段を登りきる頃には雨になりました。         石仏や濃ゆき紫陽花雨ん中 ワシモ


大日如来写真下右)・不動明王(写真上左)
大日如来像(写真下右)は、頬張った四角い顔にとぎすました理知の光と思想の深みが感じられ、森厳そのもののなかに慈悲の相も感じられます。不動明王像(写真上左右)は、両眼球が突出し、鼻は広く、牙をもって唇をかんでいますが、一般の不動らしい忿怒相ではなく、人間味ある慈悲の相をそなえた優しい不動様です。鬼が一夜で築いたと伝えられる乱積石段の入口は、杉木立に囲まれています(写真下左)。

奇峰の風景
熊野磨崖仏のすぐ下にあるバス停留所から見る奇峰の風景。国東半島は、このような奇岩奇峰があちこちで見られます。

国道10号から熊野磨崖仏に至る途中で見かけた奇峰を背景にした民家の風景。


三の宮の景(田染(たしぶ)耶馬)
桂川の上流の国道34号沿いにある奇岩奇峰。幽遠な水墨画を思わせます。
宇佐神宮熊野磨崖仏富貴寺両子寺青宇田画像姫島キツネ踊り旧千燈寺跡
文殊仙寺天念寺と川中不動岩戸寺田染荘長安寺
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