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♪ひとり 〜ショートバージョン | ||
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山ヶ野金山(2)〜 夢想谷 − 鹿児島県 |
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夢のお告げによって金を発見したという山ヶ野金山発見伝説の地、夢想谷は、霧島市横川町山ヶ野の西のはずれの、もうさつま町永野がすぐというところにあります。一帯全面は竹林や杉林になっていて、案内の杭(くい)が立ててなければ、どこに何があるのか皆目わからない状態です。でも、坑口跡や、千人ほどの鉱夫が掘っ建て小屋に住んで露天掘りで鉱石を掘ったり、鉱石を水洗いしたという千軒跡、鉱夫長屋や料理屋が建てられていたという場所などを訪ねて回ると、時代劇で観る佐渡金山などの様子とは違った金山のイメージが浮かび上がってきます。夢想谷の山ヶ野金山跡史跡の現況の一端をアップロードしました。 (旅した日 2007年04月) |
台々鼻(ででんはな) |
台々鼻(ででんはな)の向こうに永野屏風嶽(びょうぶだけ)が見えます(写真上)。台々鼻への入口には、『金山発見の地夢想谷』と書いた観光鳥居門が建てられています(写真左)。 | ||||
台々鼻(ででんはな) 島津久通は、従者と共に散々山野を歩き回りましたが、どうしても金を見つけることが出来ません。ところがある夜、野宿をした時、夢を見ました。 川の橋の下に黄金の牛が寝ている夢でした。一行は元気付いて川をさかのぼると、果たして金のいっぱい付いた石を発見しました。 一行が永野屏風嶽(びょうぶだけ)に立って東の方を見ると、岩の根元に金が流れ出ていて、『あたかも赤牛が寝ているが如く』に望まれたそうです。この地を後年『湧き上がり』といい、その下の集落を『夢想谷』というようになりました。 野宿して夢の中でお告げがあった場所が台々鼻で、『金山発見伝説の地』という案内杭が立てられています(写真上)。 |
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夢想谷あたり |
台々鼻から車を進めると進行方向左手に『夢想谷千軒跡』、右手に『料理屋跡』の案内杭が見えてきます(写真上)。 | ||||
夢想谷あたり 明治基幹九坑道の一つ夢想谷坑跡や夢想谷千軒跡(写真下)、料理屋跡(写真上)がある。 夢想谷千軒跡は、千人ほどの鉱夫が掘っ建て小屋に住んで露天掘りで鉱石を掘ったり、鉱石を水洗いした場所。夢想谷坑が開坑された時、ずり(廃石)を整地して鉱夫長屋や料理屋が建てられた。 これらは戦時中の疎開場所となり、戦後まで残ったというが、今は一帯は杉林となり、自稼堀坑跡や縦坑跡、あるいは料理屋の石垣跡と思われるものが当時の名残を残すばかりである。 |
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夢想谷千軒跡一帯は杉林になっています。杉林の向こうに自稼堀坑跡や竪坑跡が見えます(写真下)。 |
晒坑(さらしこう)跡 |
晒坑(さらしこう)跡 明治基幹九坑道の一つ。高さ1.8m、幅2.1m。ここは開山当時から良好に恵まれ、明治期鉱山近代化の資金源になった。坑口広場には事務所や飯場があって大変活気があった。鉱石は初め馬で、後にレールを敷いて鉱車で永野へ運んだ。大正5年(1916年)頃、坑内運搬するようになり、鉱口広場の事務所や飯場は撤去された。 鉱口広場には、事務所や飯場などとともに派出所があったようで、派出所跡という立て札が立ててあります(写真中)。 高木千軒跡 晒坑跡のすぐ上にある高木千軒跡は、開山当時の五大稼業地の一つ。千人ほどの鉱夫が掘っ建て小屋に住んで露天掘りで鉱石を掘り、丁場せりで鉱石を水洗いした場所。鉱夫たちの無縁墓が散在しているという。 |
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晒坑跡へ登る入口には、今でも数軒の民家があります。民家の立派な石造りの門跡が盛期の名残を留めています(写真下)。 |
江戸ケ谷千軒跡 |
徳源社(とくげんしゃ) |
夢想谷坑跡から道を進むと左手に鳥居をかたどった観光案内門が現れます(写真上)。社(やしろ)といっても石造りの徳源公碑があるだけです(写真下)。徳源公碑の下に広場(境内)が見えます(写真左)。 | ||||
徳源社(とくげんしゃ) 山ヶ野金山発見の最大の功労者、宮之城第4代領主・島津久通(ひさみち)を祀る社(やしろ)。徳源は、久通の法名からとったもの。延宝2年12月(1674年)永野安養院念行寺の境内に建立したものを、明治17年3月22日に現在地(上ノ夢想谷)に移している。 金山全盛の時代に、この境内で春秋二回行われていた祭は、地区をあげた最大の催しで、参加した小学生は菓子一袋がもらえ、祭の後の棒踊り・太鼓踊り・相撲などや約1kmの道の両側に並んだ見せ物や売店などで、終日賑わったといわれる。 |
【参考文献】 (1)本ページの説明文は、現地に立ててある山ヶ野区会の案内板の文章、現地で頂いた『山ヶ野金山史跡めぐり』の パンフレットの文章を参考、あるいは転載させて頂きました。 |
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