♪I Remember You
Blue Piano Man
えびの市の田の神(1)− 宮崎県えびの市
                        (

えびの高原など霧島連山の一部とその裾野に広がる平野部からなる宮崎県えびの市は、北を熊本県との、西と南を鹿児島県との県境の山々に囲まれた山あいの町です。『田の神』を石に刻んだ田の神石像で豊作を祈願する風習は、18世紀初めに薩摩藩で始まった独特の文化ですが、旧薩摩藩領だったえびの市は、『田の神(たのかん)さぁの里』として知られ、現在でも約150体の田の神が残っているといわれます。えびの市の田の神の特徴は、白や赤などにお化粧してカラフルなことです。そして、立派なお堂や祠(ほこら)に祀(まつ)られていて、献花が絶えません。春になると『田の神さぁまつり』などが開催させ、人々の田の神信仰の深さが伺い知れます。いくつかの田の神さぁを訪ねました。   (旅した日 2006年02月)

                                                           クリック↑Google Earth

えびの市の田の神
東原田八幡の田の神 メシゲを持ったおじいさんとおばあさんの一対の田の神像。おじいさんはおじいさんらしい、おばあさんはおばあさんらしい表情で、なんて微笑ましいのでしょうか。ほかの田の神像もそうですが、朝晩こんなに微笑ましい田の神に見守られていたのでは人間、仲睦まじくしないわけにはいきませんね。この地に暮らす人々の明るい心根を伺い知る思いがします。


東原田大平落の田の神 赤いメシゲと緑色のお椀を持った田の神。着衣は青色に彩色され、赤・白・黒の縞模様の着物をきています。白色の真ん丸顔に稚拙な目鼻に親しみがわきます。








真幸下浦の田の神 襷(たすき)がけの姿で両手でメシゲを持った農民型の田の神像。左足を一歩踏み込み、今にも動き出しそうな雰囲気です。
真幸京町温泉の田の神 農民型が多いえびの市の田の神の中でこの像は神官型の田の神です。ほとんど摩耗した顔が白く塗られ、目と眉毛が描かれています。着衣の色合や両袖のデザインなど、なかなかおしゃれです。


中内堅梅木の田の神 神官座像型の田の神像で、享保十乙六月(1725年)との刻銘のある、えびの市で二番目に古い田の神です。力強い重厚な彫りの像ですが、着衣の厚みやふくらみに石像の美しさがあります。えびの市指定文化財。



末永の田の神 この田の神は、九州自動車道のえびのパーキングエリアやお店の看板などにモデルとして使われている、えびの市のシンボル的存在の田の神です。垂れた目、可愛いい鼻とおちょぼ口が印象的ですね。


初めての田の神にたどり着くには、たいがいが地元の人に尋ねるざるを得ません。この田の神もそうでした。集落に入って、車でうろうろしていると自転車に乗ったおじいさんに出会いました。道を教えたあとも、わざわざついてきて、たどり着くのを確認してくれました。5月になると、祠の前で『田の神まつり』が開かれ、新しく化粧(ペイント)された田の神は、トラクターに乗せられて集落の田んぼをまわるのだと話をしてくれました。

【備考】
田の神については、下記記ページにレポートがあります。 レポート ・田の神さあ
 えびの田の神様(2)
あなたは累計
人目の訪問者です。
 
Copyright(C) WaShimo All Rights Reserved.