レポート  ・鶏飯に薩摩汁   
鶏飯に薩摩汁
元和8年(1622年)に、最上義俊が改易されたのに伴い、譜代大名酒井家第3代当主・酒井忠勝が13万8000石で入部し、庄内藩(今でいう山形県鶴岡市、酒田市)を立藩してから今年2022年で 400年の節目を迎えたというので、『酒井家庄内入部 400年記念事業実行委員会』が設立され、記念事業が実施されるそうです。
 
鶴岡市の加茂水族館のレストラン『沖海月(おきみづき)』が庄内藩開藩 400年記念の料理を提供し始めたというニュースが、2022年2月18日の朝日新聞デジタルで配信されました。
 
『酒井家入部 400年記念料理』は、戊辰戦争の後、庄内藩・酒井家と縁が出来た薩摩藩の郷土料理『鶏飯(けいはん)』に豚汁の原型とされる肉入りみそ汁の『薩摩汁』、ハモと孟宗(もうそう)竹の天ぷら、小鉢などだそうです。
 
沖海月の須田剛史シェフは、『薩摩藩との関係性ということで、郷土料理をどういかすかという事と酒井家さんの鶏飯をどう本物にみせていくかというのが一番のポイントですね。鶴岡の歴史は奥深いので、歴史を学びながらお客様に提供して一緒に楽しんでもらえればと思っております。』と話しをされています。
 
庄内藩は、鳥羽・伏見の戦いの契機となった江戸薩摩藩邸焼き討ちを行った主力藩であり、戊辰戦争でも薩長を含む新政府軍に執拗に抵抗した藩でした。そのため、戊辰戦争で降伏した庄内藩の人たちは、厳重な処罰が下るものと覚悟していました。
 
しかし、新政府軍が下した処置は、温情ある極めて寛大ものでした。旧庄内藩の藩主や藩士らは、戊辰戦争の戦後処理で西郷隆盛の下した処置に感じ入り、西郷に教えを請うようになりました。
 
やがてその教えを『南洲翁遺訓』という一冊の本に編集して出版し、全国に配り歩き始めました。また、酒田市では財団法人荘内南洲会が設立され、荘内南洲神社が建立されています。
 
1969年(昭和44年)には、鶴岡市と鹿児島市とで兄弟都市盟約を結びれ、今でも、親善使節団の相互訪問、兄弟校の提携、中学生親善使節団を1年毎に相互派遣、青年国内研修生の交流、5年毎の盟約記念式典、かごしま水族館と加茂水族館姉妹館盟約、市電鶴岡号の運行など、交流が続いています。           
 
【参考になるサイト】
(1)雑感 ・南洲翁遺訓のこと
(2)松ヶ岡開墾場 ― 歴史を訪ねる旅(9)
(3)旅行記 ・松ヶ岡開墾場 − 山形県鶴岡市羽黒町
(4)旅行記 ・荘内南洲神社 − 山形県酒田市
(5)旅行記 ・致道館 − 山形県鶴岡市
 

2022.02.23
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