♪古都回想
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久連子古代踊り − 熊本県八代市泉町(五家荘)
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今年も11月3日の文化の日には、全国各地でいろいろな催しや祭りが開催されたことでしょう。鹿児島でも鹿児島市内でおはら祭り、また薩摩焼のふるさと日置市美山で窯元祭りなどが開催されていましたが、本HPの管理者が向ったのは熊本県の五家荘(ごかのしょう)でした。念願だった久連子(くれこ)地区の古代踊りの見物を果たすためです。鹿児島県の自宅から熊本県人吉まで車で約1時間。さらに五木村を経て北上すること1時間。五家荘は、死ぬわけにはいかない、生き続けなければならない、その一心で逃げ延びる必要がなければ、到底誰も住むことはなかっただろうと、今でさえ思える秘境の地です。その五家荘久連子地区に、平家の落人が都を偲んで踊ったといわれる踊りが今に伝えられています。訪れた久連子は、雲ひとつない秋晴れの下で紅葉が色づきを深めていました。              (旅した日 2007年11月)


久連子(くれこ)古代踊り
久連子地区に古くから伝わる『久連子古代踊り』は、先祖が遠く京の都を偲びながら踊り始めたものといわれ、
1977年(昭和52年)に、国の無形民俗文化財に選ばれています。
踊り手は、白衣、海老茶色の袴(はかま)、手甲(てっこう)、白足袋、わらじに、
黒く長い鳥の羽が付いた『シャグマ』と呼ばれる花笠をかぶって、鐘や太鼓を叩きながら踊ります。
この花笠が、久連子古代踊りの最も大きな特徴です。
羽は、久連子地区産の地鶏『久連子鶏』(くれこどり)の尾羽で、300〜500本の羽が使われているそうです。
黒く艶のある羽は、花笠から長く垂れ下がり、踊手の顔を隠しています。
見た目色鮮やかな踊りなのに、なにか物悲しさを感じさせるのは、この『シャグマ』のせいなのかも知れません。
太鼓の革は、地元で捕獲される鹿の皮でできていて、太鼓も手作りだそうです。
久連子に住み着いた33人がそれぞれ踊りを創作したので、33種類の踊りがあるそうですが、
この日に披露されたのは、そのなかの一つ、『念仏踊り』という踊りでした。
現在の踊手はほとんどが70〜80歳で、後継者問題が深刻になっているそうです。


久連子古代の里
今回踊りが披露された久連子古代の里は、過疎が進む同地区の活性化拠点施設として、1994年(平成6年)から整備が進めてきた施設で、久連子古代踊りの歴史や山の暮らし方など、久連子地区の歴史を紹介する施設です。敷地内には、しゃくなげの育苗や久連子鶏の飼育施設のほか、劇場や資料室などがあります。


久連子鶏
久連子地区産の地鶏『久連子鶏』(くれこどり)は、久連子独自の希少鶏種であることが判明し、1965年(昭和40年)に県天然記念物指定を受けました。久連子古代の里で飼育されています。
【編集後記】
五家荘は車の離合ままならない狭い道が多いので、椎原まで行ってあとは久連子まで、片道20分近くの道をシャトルバスで送り迎えしてもらいました。道には要所要所に警備員を配備していて、踊りを開催するにもそれなりにコストがかかるなかで、シャトルバスも無料、踊りを観るのも無料でした。せめてもの協力と思って、お土産に久連子特産の『きび万十』などを買い、昼食におにぎり、猪汁、ヤマメの炭火焼を買って食べました。
 
 http://washimo-web.jp/Trip/Kureko/kureko02.htm

五家荘では、久連子古代踊りのほかに、薪能(5月上旬)、神楽(10月)、平家琵琶と夜神楽(10月下旬)などが開催されるので、また観に行きたいと思っています。
⇒ 旅行記  ・五家荘を訪ねて
⇒ 雑感   ・相対基準と絶対基準
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