レポート | ・食の安全を考える |
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− 衛生管理と生産管理 − 食の安全を考える(2) −
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不二家の期限切れ原料使用問題は、不祥事発覚以来、期限切れ原料使用の事実が次々と明るみになり、消費期限すれすれの原料の在庫がいつもだぶついていたのではないかと疑いたくなる程です。そもそも、余分な在庫が無ければ消費期限切れになることもないと思うからです。
今日、消費者のニーズが多様化し、次から次へと新しい商品が開発され、商品寿命が短くなっています。変化が激しいそのような時代のなかにあって、在庫品や仕掛品(しかかりひん=製造途中にあって、まだ完成していない物品)を持つことは、その分、リスクを背負うことになります。 そこで考えられたのが、『必要なものを、必要なときに、必要なだけ』生産あるいは供給する『ジャストインタイム』(Just In Time)という生産管理手法です。もともとは、トヨタの『かんばん方式』に代表されるように、製造業において在庫や仕掛品を圧縮し、短納期で、多品種少量生産の実現を目指すものでしたが、近年では、生産現場だけではなく、物流や大規模小売店やコンビニエンスストアなどにも取り入れられています。 自動車のセールスマンが車を1台受注すると、組立係へ車を1台組み立てなさいという『かんばん』(指示)を上げます。組立係は、そのかんばんを見てから、前工程であるエンジン係や車体係などに、必要な部品の生産着手の指示を出します。エンジン係や車体係は、その前工程へ、その前工程はそのまた前工程へと、連鎖的にかんばんを上げ、生産着手の指令が行なわれていきます。 つまり、ジャストインタイムの生産方式は、どの工程も受注してから物をつくる、在庫品や仕掛品を限りなくゼロに押えた生産システムなのです。 そのような時代のなかにあって、不二家では、果たして『適時適品』(ジャストインタイム)の資材調達がなされていたのだろうかという疑問が沸いてきます。在庫品や仕掛品が使えなくなって無駄になれば、それだけ経済効率が悪くなります。だから、消費期限が切れたものでも使いたくなる。 理にかなった生産管理の下で経済効率の良い生産がなされていない限り、衛生管理だけを追求してみても、やがては二の次になるのではないでしょうか。不二家は社長が交代し、第三者の評価機関を入れたり、山崎製パンや森永製菓に技術支援を要請するようだという報道もありますが、資材調達や在庫管理などの生産管理、生産システムの経済効率なども含めて、衛生管理の有り方の見直しが進められるものと思われます。 |
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2007.01.24 | |||||
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