♪Prologue
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曽木の滝と発電所遺構 − 鹿児島県伊佐市
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熊本県と県境を接する鹿児島県伊佐氏伊佐市(旧大口市)は、「焼酎の落書きのある神社」という旅行記で報告したように、「伊佐美」や「伊佐錦」など焼酎の産地ですが市内を流れる川内(せんだい)川には、「曽木(そぎ)の滝」という滝があります。落差は15mでそれほどでもありませんが、水が馬蹄(ばてい)形に流れていて、その210mの滝幅は日本一でしょう。特に水量の多い時季の大瀑布は力強く、その眺めは雄大です。曽木の滝の1.5km下流には、かつてわが国の近代化学工業発祥の時代を支えた「曽木発電所」の遺構があります。いつもは鶴田ダムの湖(大鶴湖)の水底に沈んでいますが、梅雨期に入って水位を調整するためにダムの水が放出される6月から9月の間その姿を地上に現わすのです。曽木の滝の右岸には、旧発電所の水路跡150mを再利用した「洞窟きのこ園」があり霊芝(れいし)・アガリクスなどが栽培されています。きのこの栽培状況や工場などを見て歩くことができ、きのこ専門の売店で購入ができます。  (旅した日 2003年08月)


曽木の滝
水量の多い時季の曽木の滝の大瀑布は力強く、その眺めは雄大(写真上)。上流から眺めた曽木の滝(写真下左)。ここから1.5km下流に「曽木発電所遺構」があります。<問題>この滝は、「日本の滝100選」に選ばれていません。なぜでしょうか? 写真の中にヒントがあります。(答えは、末尾の備考にあります。)
曽木発電所遺構
曽木発電所と近代化学工業の発祥
 「近代化学の父」と呼ばれた野口遵(のぐちしたがう)(1873〜1944年)が、1906年(明治39年)に曽木電気株式会社を設立して発電事業を始めました。発電所は、当初大口市内にあった牛尾鉱山の排水用動力を確保するために建設されたのですが、
余剰の電力を熊本県水俣に送ってそこでカーバイド(漁船や自転車の点灯燃料)の製造を始めました。これが、わが国の近代化学工業のスタートでした。more


 遺構といっても外壁がわずかに残って立っているだけです。そのセピア色に古ぼけた佇まいは、ヨーロッパの中世の古城に似た印象を与えます。そして、それがかっての水力発電所の遺構だと知ると、盛衰のロマンと哀愁を感じずにはいられません写真上・左右)。


明治40年(1907年)代当時の曽木発電所
(写真右)。曽木の滝の右岸から取水し、約1.5kmの水路を経由して送られてくる水で発電されました。
霊芝とアガリスク(洞窟きのこ園)
滝の右岸から入る「洞窟きのこ園」への入口(写真上左)。霊芝の栽培状況(写真上右)。写真は、地上で栽培されている状況ですが、同様に地下でたくさんのきのこが栽培されています。 
【備考】
このページの作成には、下記のサイトを参考にしました。

・『大口市商工会 観光情報 旧曽木発電所跡』  → http://www.synapse.ne.jp/~okuchi/hsrc/kanko/set/hatuden.htm
・『明治40年(1907年)代当時の曽木発電所』の写真は、現地の観光案内板の写真を撮影して掲載したものです。
・「洞窟きのこ園」の霊芝(れいし)・アガリクスなどのきのこ製品は通販で販売されています。お問い合わせ先は、次の通りです。(〒895-2441 鹿児島県大口市曽木の滝公園内、リーダイヤル0120-048-117(9時〜18時)、FAX0995-28-2312)
<問題の答え>滝のすぐ上流には、県道の橋(写真に写っています)が掛けられていて、これが自然の景観を損ねているという理由で「日本の滝100選」から漏れたそうです。
 レポート ・曽木発電所遺構
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