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きつね火まつり |
キツネ顔にふんした男女が 花嫁道中や婚礼の儀を繰り広げる『きつね火まつり』が、今年(2015年)も 9月26日(土)、岐阜県飛騨市古川町でありました。 |
漆黒の闇の中、 松明の灯りを揺らしながら約80人にも及ぶきつねの嫁入り行列が 古い町並みを静かに練り歩いていきます。 |
古くから伝わるおとぎ話が この夜よみがえり、鯉の泳ぐ瀬戸川と白壁土蔵で知られる飛騨古川の 町は幻想的な雰囲気に包まれました。 |
きつねメーク |
この『きつね火まつり』は 約30年前、キツネの嫁入りの民話をモチーフにまちおこしの イベントとして始まったそうです。 |
現在では、毎年9月の 第4土曜日に行われ、地元の若者グループ『狐(きつね)組』や市観光協会などの 実行委員会が中心になって運営しています。 |
踊り手夕闇が濃くなった午後6時すぎ、 花嫁と花婿役人力車に乗り、町中心部のまつり広場を出発。三寺まいりで知られる真宗寺や円光寺前、 白壁土蔵の瀬戸川沿いなどをゆっくりと練り歩きます。 |
もともとは御蔵(みくら)稲荷神社の 例祭の一部としてはじまったまつりであり、その行列を見た人には、五穀豊穣や家内安全、商売繁盛などの 願いが叶えられると言われ、沿道は多くの見物客で賑わいます。 |
まつり当日は、メーン会場の 『まつり広場』で、グルメバザーの『あきんど村』(11時〜)、商売繁盛の『だんごまき』(17時30分〜)、 婚礼祝いの『振る舞い酒』(20時40分〜)などを行われるほか、 |
メークで一緒に きつねになって、非日常空間の雰囲気を楽しんでもらえればということで、来場者に『きつねメーク』を 施す無料サービスを市街各所で行われます。 |
したがって、まつりに 出演する人だけでなく、まつりのスタッフ、見物人、ホテルのフロント係りの人、レストランで給仕する人、 お店でものを売る人などなど、キツネの顔、顔、顔です。 |
『きつねメーク』顔は 面白くって、可愛くって、絶好の被写体ということでカメラ好きの人に大人気。 アマチュアカメラマンが押し寄せることなります。 |
まつりの日の風景 |
飛騨古川は、高山駅から 富山側へ3駅(富山行きの『特急ワイドビューひだ』だと1駅)のところにあります。平成16年2月に、旧古川町など 2町2村が合併して飛騨市が誕生。 古川に市役所が置かれました。 |
清らかな瀬戸川に 沿って白壁土蔵や出格子の町家が並ぶ風情ある町並みは、江戸時代、時の増島城主金森可重が 高山と同じ町造りを奨励したことによるそうです。 |
6代100余年続いた金森時代は 元禄5年(1692年)に終わり、その後は幕府直轄地(天領)となりましたが、天領に なったのちも独自の文化が守り続けられてきました。 |
高山に似せて造られ、 双子の町と呼ばれている町並みですが、高山より規模が小さく、また、多くの観光客は高山止まりなので 静かな中で散策を楽しむことができます。 |
瀬戸川沿いだけでなく、市街中心部には ほかにも、壱之町、弐之町、三之町といった古い町並みが残っていて、和ろうそくや切り絵、伝統工芸の 一位一刀彫など飛騨の匠の技と心意気が息づいています。 |
そんな飛騨古川を はじめて訪ねたのは2006年5月。瀬戸川沿いに佇む円光寺の石垣の垣根には芝桜が 咲き誇り、郊外ではりんごの花の咲く頃でした。 |
そのとき知った 飛騨古川のまつりの一つが『きつね火まつり』。この町がすっかりお気に入りになり、 きっといつか見に来ようという願いが今回叶いました。 |
さて、午後1時から2時にかけて 御蔵稲荷神社例祭。花嫁、花婿姿の二人がそろって御蔵稲荷神社に参拝します。『神楽台組』の獅子舞も 奉納され、きつね火まつりのスタートはここからが始まり・・・。 |
まつりの主役である 花嫁、花婿は全国からの応募で決定されます。今年公募で選ばれたのは、 川崎市在住の中林有希さんと真田貴央さん。 |
お昼前から夜10時前までの 長丁場の出演。大変だったでしょうが、一生の思い出になりましたね。 お幸せに・・・、コンコン。 |
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