コラム  ・木瓜の花と沈寿官窯   
− 木瓜の花と沈寿官窯 −
2015年3月5日の朝、わが家の庭先の垣根沿いに植わっている木瓜(ぼけ)が花を咲かせ始めているのに気づきました。木瓜は、小さい花で、決して派手ではありませんが、まだ他の草花が春の身支度を始めたばかりの景色の中でひときわ目につく花です。俳句歳時記(角川書店、合本俳句歳時記)を開いてみると、次の一句がありました。
 
   古木瓜を咲かせて陶師沈寿官 清崎敏郎
 
清崎敏郎(1922〜1999年)は『ホトトギス』同人の俳人で国文学者。凛とした寒さがまだ残る今頃の時季に、沈寿官窯(鹿児島県日置市東市来町美山)を訪ねたら、木瓜が咲いていたのでしょう。邸内の佇まいや白磁の肌合いなどが思い出されます。
 
さつま町の自宅から1時間足らず車を飛ばして、 500円払えば、沈家伝世品収蔵庫に陳列されている、あの明治6年(1873年)のウィーン万博で世界中の人々から絶賛を得たという第12代の作品などを拝見できるのは、幸せなことです。鹿児島においでの機会がありましたら、訪ねてみられませんか。
  
・旅行記 薩摩焼のふるさと〜美山(2004年12月)
   → http://washimo-web.jp/Trip/Miyama/miyama.htm
 
鹿児島県さつま町の自宅で撮影 2015.03.05

2015.03.11
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