レポート  ・第11回南九州市かわなべ青の俳句大会   
− 第11回南九州市かわなべ青の俳句大会 −
鹿児島県南九州市川辺出身の俳人・福永耕二をしのぶ『南九州市かわなべ青の俳句大会』は今年(2009年)で第11回を数え、県内外の小中高校・特別支援学校の児童生徒5万2475人から13万1996句の応募があったそうです。最高賞の福永耕二賞をはじめ19の特別賞、特選・入選・佳作、学校賞が選考され、12月5日(土)、同市の岩屋公園で表彰式がありました。特別賞に選ばれた19の句を紹介します。
  
■福永耕二賞
 
  夕焼けよあしたは優しいぼくになる
               
                  伊敷台小6年 作元 俊介
 
■鹿児島県知事賞
  
  たきの音空からりゅうがおちてくる
 
                  南九州市立清水小3年 中森 里桜
 
  体育祭天まで登り棒倒す
 
                  鹿児島大学附属中2年 山口 愛輝
 
  炎昼や靴に伝わる地のゆがみ
 
                  開陽高3年 鶴 晴香
 
■南九州市長賞
 
  夕立ちの奇襲に会った砂の城
 
                  武小6年 伊藤  翼
 
  ゆっくりと牛引き砂糖しぼり出す
 
                  山中2年 吉山くりすちな
 
  的目指しトンボの中を貫く矢
 
                  出水高2年 岩崎 春奈
 
■南九州市教育委員会賞
 
  たかいたきうえからそらがふってくる
 
                  石谷小5年 堀之内熙人
 
  夏休み父の背中が家にある
 
                  志学館中等部3年 田宮宗一郎
 
    
サイダーに大きく動く喉仏
 
                  開陽高1年 西ノ園 優
 
■南日本新聞社賞
  
  のぼりぼうあとひといきで夏の空
 
                  喜入小2年 横井 健人
 
  きもだめし父のてのひらぬれている
 
                  川辺中3年 川原 侑
 
  秋の暮れ魂の一字書き終える
 
                  市来農芸高2年 園田さより
 
■鹿児島県教育委員会賞
 
  八月のカレンダーには羽がある
 
                  大姶良小4年 小橋口理子
 
  五月雨にアカショウビンの声響く
 
                  喜界町立第一中2年 山倉 海
 
  炎天下シュートボールが網ゆらす
 
                  隼人工業高1年 田澤 歩
 
■鹿児島県俳人協会賞
 
  あさがおのつぼみかぞえてあさをまつ
 
                  松原小1年 山口 美和
 
  あこがれの制服の袖通す朝
 
                  鹿児島純心女子中1年 有村 明巳
 
    
町光る夏の音色を反射して
 
                  加治木高3年 西 祐貴
 
〔福永耕二〕(1938.1.4〜1980.12.4)
鹿児島県南九州市川辺町生まれ。ラ・サール高校在学中に水原秋桜子の主催する俳誌「馬酔木(あしび)」に投句。鹿児島大学在学中、20歳で初巻頭。1965年に上京、千葉県の私立市川高校に勤務。1971年にわずか32歳の若さで馬酔木編集長を務めるも、1980年に42歳の若さで志半ばにして死去。
              → http://washimo-web.jp/Report/Mag-Fukunaga.htm
  

2009.12.09  
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