レポート  ・『安芸灘の風』を訪ねて   
− 『安芸灘の風』を訪ねて −
昨年(2010年)の秋以来はまっている歌があります。2010年11月18日放送の『第43回日本有線大賞』で『新人賞』『有線問い合わせ賞』の2冠を達成した『安芸灘の風』(あきなだのかぜ)という歌です。新人賞といっても、30年近く四国を拠点に活動してきたレーモンド松屋という男性シンガー・ソングライターが59歳にしてメジャーデビューを果たした歌です。
  
リズム感のあるロック調の曲ですが、歌詞は演歌・歌謡チック、しかし、フォークのセンスも。どこか不思議なこの歌は、団塊の世代(昭和22年〜24年生まれ)が子供の頃耳にした懐メロ歌謡から青春時代にはまったGS(グループサウンズ)やロック、フォークまでの、それぞれのジャンルの音楽への懐かしさを引き出してくれます。いわば、団塊の世代の”青春歌謡ロック”。
  
広島県呉市沖の安芸灘に浮かぶ下蒲刈島(しもかまがりじま)から上蒲刈島、豊島、大崎下島、平羅島、中ノ島を経て岡村島(愛媛県今治市関前村)へ至る7つの島は、平成20年(2008年)11月、上蒲刈島と豊島間に豊島大橋が開通したことで一本の陸路で本土とつながりました。7つの橋が結ぶこの陸路は愛称を『安芸灘とびしま海道』と命名されました。
  
『安芸灘の風』は、これを記念して『安芸灘とびしま海道』のイメージソングとしてレーモンド松屋さんが作詞作曲したもので、2008年11月にインディーズ盤(自主制作盤)をリリース、2010年2月にキャンシステム(東京都に本社がある有線放送)でリクエストが出来るようになると、『お問合せチャート』で2月〜5月の4ヶ月間連続1位を獲得します。そして、同年7月7日にユニバーサルミュージックからメジャー・リリース。
  
『あなたはきっと来る〜♪、いくつもの橋を渡って〜♪』。物語は、まだ陸路でつながる以前、船で愛媛県側から広島県側へ行ってしまった恋人が、今度はいくつもの橋を渡って帰ってくるのを一人の女性が待つという設定のラブストーリーです。
 
関前(せきぜん)の空、あなたを見送った観音崎、あなたの好きだった御手洗(みたらい)の古い町並み、大長(おおちょう)港みかん船、願いを込めた高灯籠、初めてあなたと訪ねた下蒲刈のあかりの館、出会いの岬、夢を語った恋ヶ浜などと、歌詞にはご当地名で二人の思い出が散りばめられています。
 
当地に行ってみたい気持ちを抑えがたく、鹿児島からはるばる広島まで一人車を走らせたのは、今年(2011年)5月中旬のことでした。高速道路の休日上限千円割引が6月中旬で終了するというので、安くで遠出できる最後の機会だなという思いもありました。
  
鹿児島県の横川ICで九州自動車道に乗ったのが金曜日の夕方6時丁度。車はホンダのフィットRS(1500CC)です。翌土曜日の0時10分に広島市の五日市ICで高速を降りたので高速代は1000円で済みました。呉市内のホテルにチャックインしたときは午前1時を回っていました。
  
そのようにして訪ねた安芸灘の島々はみかんの花が満開で、どこを訪ねても安芸灘の風が柑橘の甘い匂いを運んできます。みかん御殿の家並みを眼下に見下ろす大長や対岸に御手洗の町を望む岡村島関前村のみかん畑の中を走れば、農道に吹き溜ったみかんの花で車輪がスリップしABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が作動するほどでした。
  
町全体が国の重要伝統的建造物群保存地区に選定させている御手洗の町並みは、江戸期から明治にかけて中継貿易港として栄えた往時の面影を随所に残していました。車のオーディオにはもちろん『安芸灘の風』のCDをかけてのドライブ旅行でした。カラオケで歌ってみました。
 
   安芸灘の風(レーモンド松屋) cover WaShimo(ワシモ)
 
【参考】
下記の旅行記が参考になります。
  ■ 旅行記 ・安芸灘とびしま海道 − 広島県呉市
 

2011.07.06  
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