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♪Prologue

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川内高城温泉 〜 南洲翁ゆかりの地(3) − 鹿児島県薩摩川内市

 
鹿児島県北西部の東シナ海を望む海岸線から少し山あいに入ったところに川内高城(せんだいたき)温泉はあります。県内でも最も古くから知られた長い歴史を誇る温泉地で、かつては自炊宿を利用した湯治客、保養客で賑わったものでした。また、明治の偉人・南洲翁(西郷隆盛)が幕末から西南の役に出陣するまでの間に、兎(うさぎ)狩りと温泉を楽しんだ地としても知られています。素朴な温泉宿と昔懐かしい土産物屋が軒を並べる鄙びた佇まいは、昭和の雰囲気を今に残しており、西郷さんのゆかりに触れながらのんびり温泉に浸かるのも、ここならではの楽しみです。                               (旅した日 2011月)

          
  

せんだいたきおんせん

川内高城温泉

 
高城温泉街入口
川内高城温泉の沿革
川内高城(せんだいたき)温泉は、鎌倉時代の『薩摩国建久図田張』(1197年)にその名を記され、鹿児島県では最も古くから有名で、長い歴史を誇る温泉地です。又、明治の偉人『西郷南洲翁』が幕末から西南の役に出陣する迄の間に、狩りと温泉を楽しまれた所です。古くから高城温泉と呼ばれてましたが、昭和40年(1965年)川内市と合併の折『川内温泉』と改名され、更に平成8年(1996年)に『川内高城温泉』と改称して現在に至っています。昔から神経痛、関節リウマチ等に効能がありあと、県内外から沢山の方々に利用されています。平成2年(1990年)には温泉療法医学会により、全国三千ヶ所ある温泉の中から、泉質の良さで、『日本名湯百選』に認定されました。薩摩川内市街から12km、西方から4km離れた静かな山間に、800年以前から豊富でなめらかな温泉PH9.5がこんこんと湧き出ており、今話題の『レジオネラ菌』等、全然心配なくご利用いただけます。鶯のさえずり、ホタルの舞い、かじかの鳴き声、トンボが飛び、蝉しぐれ、と自然一杯の温泉地で心身ともに明日への英気が養われるでしょう。 
川内高城温泉振興会 平成16年11月吉 (〜現地案内板より)

 

 
昭和の雰囲気を残す温泉宿や共同湯
 
そして、雑貨店を兼ねた共同湯。『共同浴場・店』と看板にあります。
西郷さん愛好の湯  旅館双葉屋の隣りは雑貨店を兼ねた共同湯(写真上)。浴槽は昔ながらのタイル貼りです。泉質は単純硫黄泉で、無色透明、入浴料200円(こども80円)。案内板につぎのようにあります。『西郷さんは湯田ではよく畩助さん(五助さんの父)の家(現在の双葉旅館)に泊まられたが、好んで隣りの共同湯に入浴されました。いつも隅に入られ、真中に入られたことはなかったといいます。』 いつも湯船の隅っこの定位置に入られる西郷さんから四方山話を聞くのが地元の人たちの何よりの楽しみだったことでしょう。西郷のおおらかさが感じられます。
 
西郷さんがいつも隅っこに入ったという共同湯の浴槽(左)と西郷隆盛宿泊跡の石碑(当時の上床ミノ宅)(右)
また、西郷さんは碁を楽しませたそうです。案内板に、『富士屋旅館には西郷さん使用の碁盤と碁石が残っています。これらは内山トネさん所蔵のもので、現在は薩摩川内市歴史資料館に展示されています。』とあります。6
 
この奥に、西郷隆盛宿泊跡の石碑があります。
西郷隆盛・宿泊跡 西南戦争(明治10年(1877年))が始まる4年ばかり前の明治6年旧10月ごろ(ちょうど政変で下野した頃)のことでした。西郷さんが、4・5人の供を連れて兎狩りに来られました。上床ミノさん宅(当時)の六畳二間に幕を張って炊事やその他の事も一切供の方がやられておられ、一週間滞在されました(現地案内板より)。
 
通りを運行中の巡回バス
川内高城温泉は薩摩川内市中心部から約13kmの山あいにあります。アクセスは、JR川内駅からタクシーで20〜25分。同じくJR駅から南国交通(川内くるくるバス、湯田・西方循環線、梅屋前下車)だと、約40分(但し、東回り、高城麓経由を利用)です。
5月ののどかな昼下がり。閑散とした温泉通りには鯉のぼりも見えます。
1軒の共同湯と8軒ほどの宿が軒を並べ、夕方になると近在の人たちが入浴にやってきます。また、1軒だけある鉄筋建のホテル(ホテルマル善)には、ジャングル浴場や露天風呂、家族湯があり、季節季節に近くの東シナ海で捕れる海の幸、周囲の山々で採れる山の幸を盛り込んだ料理を楽しみながら宿泊ができます。
入浴しているのは若い頃の西郷さんでしょう。
西郷隆盛愛好の湯
NHKの『翔ぶが如く』(平成2年(1980年))の放映を記念して、西郷隆盛像をここに建立しました。西郷隆盛は十八歳の時、高城(たき)町の妹背橋の架設に従事しました。それから山あいの自然環境に恵まれた川内高城温泉郷に逗留して人形岩や白松青松で知られる西方海岸や温泉郷周辺の山野でうさぎ狩りや碁を楽しまれながら明治維新など日本の黎明の想を練ったとの逸話史実が、今も沢山残っています。〜 案内板より
 
TV『スローダンス』の看板(左)と八木商店(右)
TVドラマ『スローダンス』と焼酎『しば田』
TVドラマ『スローダンス』(2005年7月〜9月にフジテレビ系で放映、出演は妻夫木聡と深津絵里ほか)のロケが行われた当時の看板がありました(写真上・左)。このドラマのなかでしばしば『しば田』という焼酎が登場します。芹沢英介(藤木直人)と小池実乃(広末涼子)が、幻の焼酎『しば田』を八木商店(写真上・右)に買いに来るロケが行われました。ところで、焼酎『しば田』は実在しない架空の銘柄ですが、ここからすぐのところに、森伊蔵・魔王と並ぶプレミア焼酎『3M』の一つである『村尾』を造っている村尾酒造があります。八木商店では、村尾酒造のレギュラー銘柄である『薩摩茶屋』を2,000円で売っています。
 
 
往時を偲ばせる温泉宿(熊野神社境内から富士屋を見る)
西郷さんと兎(うさぎ)狩り
西郷さんが参詣の折りに境内で兎狩りが得意なツンと呼ばれるメスの薩摩犬に会ったといわれる藤川天神は、川内高城温泉から東へ10km足らずのところにあります。国道3号沿いに建てられた看板には、愛犬ツンをともなって兎狩りにでかける西郷さんの姿が描かれています。
 
 

兎狩りにでかける西郷さんと川内高城温泉の案内看板(国道3号沿いに建てられています)。

 愛犬ツンと西郷隆盛像    藤川天神
 

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