レポート  牛深ハイヤ節   
− 牛深ハイヤ節 −
津軽アイヤ節(青森)、佐渡おけさ(新潟)、北海道ソーラン節(北海道)、阿波踊り(徳島)など、全国40ヶ所のハイヤ系民謡のルーツである『牛深ハイヤ節』は、熊本県天草の下島の最南端、牛深(うしぶか)で、風待ち、シケ待ちの船乗りたちをもてなす酒盛りの歌として歌い出されたものでした。
 
九州では南風のことを『ハエの風』と呼びます。『ハエ』が『ハエヤ』になり、さらに『ハイヤ』になって歌詞が生まれました。船乗りたちは、賑やかなハイヤ節と酒に酔い、牛深乙女の情にほだされたのでした。
 
歌詞の内容を味わってみるに、まさしく、テレビもラジオも無かった時代の『男と女のラブゲーム』といったところでしょうか。 牛深ハイヤ節の歌詞を書いてみました。先ず、熊本県立牛深高校生の歌う張りのある『牛深ハイヤ節』を聴いてみましょう。
 
・牛深ハイヤ節 
 → http://www.higo.ed.jp/sh/ushibukash/page007.html
 
歌詞
 
♪ハイヤエー ハイヤ
  ハイヤで今朝出した船はエー
  どこの港に サーマ 入れたやらエー
(囃し)
 エーサ 牛深三度行きゃ三度裸
  鍋釜売っても酒盛りゃして来い
  戻りにゃ本渡瀬戸徒歩渡り
 
♪ハイヤエー きたかと
  思えばまだ南風(はえ)の風ヨー
  風さえ恋路の サーマ 邪魔をするエー
(囃し)
 エーサ 黒島沖からやって来た
  新造か白帆か白鷺か
  よくよく見たればわが夫(つま)様だい
 
♪ハイヤエー ハイヤ
  ハイヤで半年ゃ暮らすエー
  後の半年ゃ サーマ 寝て暮らすエー
(囃し)
エーサ 段々畑のサヤ豆は
  ひとサヤ走ればみな走る
  私しゃお前さんについて走る
 
♪ハイヤエー とっちゃ投げ
  とっちゃ投げ三十四、五投げたエー
  投げた枕にゃ サーマ 罪(とが)はないエー
(囃し)
 エーサ 何処から来たかい薩摩から
  いかりも持たずによう来た様だい
 
♪ハイヤエー たんと
  売れても売れない日でもエー
  同じ調子の サーマ 風車エー
(囃し)
 エーサ 魚貫万匹 茂串(もくし)鯖(さば) 
 宮崎鰹(かつお)ん骨
  横ぐわえ 加世浦(かせんな)キンナゴ逆すごき
  天附(あまつけ)渡れば室鯵(むん)の魚(いお)
  三匹(ごん)なめたら(食べたら)どっとした(腹一杯になった)
 
♪ハイヤエー 船は
  出て行く 帆掛けて走るエー
  茶屋の娘が サーマ 出て招くエー
(囃し)
 エーサ あおさやったとん届いたかい
  届いて煮て吸って舌焼いたサイサイ
 
♪ハイヤエー 沖の
  瀬の瀬にドンと打つ波はエー
  あれは船頭さんの サーマ 度胸定めヨー
(囃し)
 エーサ 権現山から後ろ飛びゃするとも
  お前さんに暇状(ひまじょう)は やいもせんば取いもせん 
 
♪ハイヤエー まつヨ
  まつヨで黒島の松エー
  上り下りの サーマ 手掛け松エー
(囃し)
 エーサ そろばん枕で考えた
  一桁違えば大きな損だよ
 
♪ハイヤエー ハイヤ
  ハンヤは何処でもやるがエー
  牛深ハイヤは サーマ 元ハイヤエー
(囃し)
 エーサ 川端石だい起こせば蟹(がね)だい
  蟹の生焼きゃ食傷(しょくしょう)のもとだい
  食傷蟹なら色なし蟹だい
 押せ、押せ、押せ押せ押せ押せ
 押さねば上らぬ 牛深瀬戸じゃ
 
【参考】
牛深では、毎年4月の第三金曜日〜日曜日に『牛深ハイヤ祭り』が開催されていて、今年(2008年)は、第37回の祭りが、4月18日〜20日にわたって行なわれました。『ハイヤ総踊り』には、24団体、総勢1300人が参加し街中を熱狂的に踊り歩きました。下記に、最終日の『ハイヤ総踊り』の様子をにアップロードしてあります。
 
◆旅行記 ・牛深ハイヤ祭りを訪ねて − 熊本県天草市
 → http://washimo-web.jp/Trip/UshibukaHaiya/uhaiya.htm
 

2008.04.23
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