コラム | ・ちょっとしたコツ 〜 玉ねぎの育ち方 |
− ちょっとしたコツ 〜 玉ねぎの育ち方 − |
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昨年の11月に苗を買ってきて我が家の畑に植えた玉ねぎが収穫時期を迎えました。何事にもちょっとしたコツがあります。コツがあるということは、道理があるということでしょう。玉ねぎの育ち方もそうでした。 玉ねぎは二畝(うね)植えました。一畝は著者が植え、もう一畝は連れ合いが植えました。同じ苗を、肥料や日光など条件がまったく同じ畝に植えたのに、ちょっとした植え方の違いで、玉ねぎの育ち方が違ったのです。 野菜作りの師匠は、園芸を趣味にしている連れ合いです。我が師匠は、玉ねぎの苗の植え方のコツは”浅く植える”ことだとアドバイスします。しかし、浅く植えるてみると、植えた苗が今にも倒れそうですし、雨でも来たら流れ出しそうに思えます。 そこで、倒れないように白い部分をほとんど土に埋めてしっかり植えました。その様子を横目で見ながら連れ合いは、白い部分を半分ほど地上に出して植えます。いかにも心もとない植え方で、すでに何本かは倒れかけています。ここで、植え方の違いをイラストで見てみましょう。 ・玉ねぎの苗の植え方の違い(イラスト) → http://washimo-web.jp/Information/Onion01.htm それから5か月経った4月の中旬、収穫しようというので畑に行ってみると、果たしてどうでしょう。妻の植えた畝の玉ねぎは、玉が丸々と大きくなり、一部のものは葉が倒れています。それに対して、著者が植えた畝の玉ねぎは、玉が見えません。地中に隠れているのではないかと思って引っこ抜いてみると、まるでただのねぎみたいです。そのかわり、葉は大きく繁々と繁っています。写真で違いを見てみましょう。 ・玉ねぎの育ち方の違い(写真) → http://washimo-web.jp/Information/Onion02.htm 茎あるいは根と思って食べている玉の部分は、茎や根ではなく、実は”葉”なのだそうです。葉の緑色の部分が光合成を行って養分をつくり、下方の白い部分にそれを蓄えます。白い部分は、養分を蓄えるにつれて重なり合って球形になり、1枚ずつはがすと魚の鱗(うろこ)のようになので、鱗葉(りんよう)と呼ばれています。 つまり、白い部分は根ではないので地中に埋まっている必要はなかったのです。根さえしっかり地中に埋まっておれば、葉は倒れていても差し支えなかったのです。鱗葉になるべき部分がしっかり地中に埋められていたため大きくなりにくかったということでしょう。 『玉ねぎは葉が倒れると食べ頃だ』といわれます。養分が十分に蓄えられ玉が大きくなると、葉の緑の部分は光合成を行う必要がなくなり役目を終えるわけですから、倒れてやがて腐れていきます。一方、著者が植えた畝の玉ねぎは、まだ養分を蓄えきれていないので、ますます盛んに光合成を行う必要があります。葉が大きく繁々と繁ったままなのはそのためでしょう。 なお、玉ねぎは、光合成産物をでんぷんではなく糖の形で貯蔵するため、生の玉ねぎはイチゴと同じぐらいの甘みを持っていますが、辛(から)みも強いので甘くは感じないのだそうです。加熱すると、辛みが飛んで甘みが引き立ってくるわけです。 著者が植えた畝の玉ねぎは可哀想だというので、遅らばせながら、師匠と二人で心持ち土をどかしてやったのでした。何事にもちょっとしたコツがあるとはいうものの、実際やってみないと実感できません。今度植えるときは著者もバッチリです。 |
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2011.05.11 | ||||
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