レポート  ・第13回南九州市かわなべ青の俳句大会   
− 第13回南九州市かわなべ青の俳句大会 −
鹿児島県南九州市川辺出身の俳人・福永耕二をしのぶ『南九州市かわなべ青の俳句大 会』は今年で第13回を数え、県内外の小中高校・特別支援学校の児童生徒5万7633人から10万3708句の応募があり、最高賞の福永耕二賞をはじめ19の特別賞、特選・入選・佳作、学校賞が選考され、12月3日、同市川辺の市民交流センターひまわり館で表彰式がありました。特別賞に選ばれた19の句を紹介します。
 
■福永耕二賞
 
  きょうりゅうが見ていた月をぼくも見る
 
                 
   大隅南小3年 岩下 彬
               
■鹿児島県知事賞
  
  ほ助輪がとれて弟青い風    
    武小4年 別枝 寛仁
 
  銀漢の端に大地を踏みしめる  
    武中2年 末吉 康暉
 
  稲光大樹の影が地を走る    
   川辺高2年 佐多 祐紀
   

■南九州市長賞
 
  麦茶飲むコップの底は青い空  
 伊集院北小6年 宮下 環伍
 
  飛びこめと青いプールがさけんでる
                   
長田中1年 村上ひかる
  
  剣道の面脱ぎしより蝉しぐれ   
鹿児島高2年 鎌田  景
 

■南九州市教育委員会賞
 
  えんぴつがとがっているよなつやすみ   
                      鷹巣小5年 原田 優也
 
  背負うのはあふれる思いかたつむり 
               
  鹿児島第一中3年 徳重 僚一
 
  国またぐ戦にせみがないている  明桜館高1年 田中匡太郎
 

■南日本新聞社賞
 
  ふうりんのねいろの中に入りこむ  曽木小5年 冨永 拓海
 
  大空に未だ手を振る特攻花 
 鹿児島修学館中2年 松田 美
 
  死産した子をなめる牛夏暮れる 
 市来農芸高3年 砂坂 志高
 
■鹿児島県教育委員会賞
 
  おつきさま犬の赤ちゃんてらしてる

                     羽月西小2年 小迫 彩香
 
  夜の海空に飛びだす鯨かな     高尾野中3年 岩井 議大
 
  石打羽鷹よりかりて星を得ん     鶴丸高1年 重野 泰和
 
■鹿児島県俳人協会賞
 
  
あの子いたおうちの場所にこいのぼり 
                 池田学園池田小1年 上田侃博
 
  
ハードルの波の向こうにゆらぐ夏   舞鶴中1年 西 千枝里
 
  
コンペ時期鳴く蝉共に製図室   隼人工業高3年 今川佳央理
  

〔福永耕二〕(1938.1.4〜1980.12.4)
鹿児島県南九州市川辺町生まれ。ラ・サール高校在学中に水原秋桜子の主催する俳誌「馬酔木(あしび)」に投句。鹿児島大学在学中、20歳で初巻頭。1965年に上京、千葉県の私立市川高校に勤務。1971年にわずか32歳の若さで馬酔木編集長を務めるも、1980年に42歳の若さで志半ばにして死去。
        → http://washimo-web.jp/Report/Mag-Fukunaga.htm
  

2011.12.13  
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