俳句 | ・ワシモ(WaShimo)の気ままに俳句(2019年) |
放生会風化の顔の隼人塚 ☞ 妻孝行日とびきりの秋刀魚焼く 秋灯しニッキの瓶の凸レンズ 墨糸を弾くをんなや天高し 轆轤小屋秋燈を散らす飛び鉋 唐臼のまさにドスンと桐一葉 地下足袋は十二文山芋を掘る プツプツと甕酢の熟す星月夜 UFOの窓に月見の親子かな 敬老日園児と交わす糸でんわ 常連はママが目当てのむかご飯 箱詰めに収まりつかぬかりんの実 鳥脅しのっぺらぼうの効き目なし 白無垢の木槿の花の咲き乱る 新鎌に焼印入るる霧の朝 百の田の百の音する落し水 メロメロののろけ話やヘチマ煮る 背の丈も父母の按配なすの馬 遠泳の記憶はるか両棒餅 ゴシップの蜜豆ほどの甘さかな 蚊遣香よこに向田邦子の本 一斉に向日葵の向くをんな客 糧背負う籠のしなりや日焼妻 胡坐くむタヒチ女の日焼けかな 麦秋の駅に始まる一人旅 足枷を引き摺る夢や半夏生 一村の画より飛び立つ赤しょうびん つりしのぶギュッと締めたる男帯 手と手とに蛍の匂ひ分かち合ふ ときめきのピンクネイルや桜餅 豆飯の豆挟めぬと泣きじゃくる 裾上げの糸解く母や子供の日 蒟蒻をつるりと逃がす目借時 抜き足で猫の出でゆく春月夜 文字転ぶsin・cos目借時 たんぽぽや子犬の背負うランドセル 寒村を等しく照らす朧月 待ちぼうけ街は黄砂の降るばかり 花篝「あなた」と夫を呼んでみる 手土産は傘に載せたる花の屑 鉄線の花の一鉢書道展 花朱欒沖は牛深ハイヤ節 若冲の鶏遊ぶ梅雨晴間 さなぶりや酩酊の神帰りゆく 葉桜や置きしまゝなる砂時計 駅ごとに風の乗り込む峡の春 天領は贅の名残りの雛道具 手拍子のチャンチキおけさ花の宴 天領のお雛めぐりや下駄の音 百本のもぐら威しの風車 袖丈を少し長めに入学児 いかなごのくぎ煮一品ほろ酔ひぬ 田の神の化粧新たに牡丹雪 出で立ちは火消し半纏野火猛る つくし和え地球の味を炊きにけり 春ともし宿に借りたる夫婦下駄 (歳旦三つ物) 紅白の具の色うれし雑煮かな 久方に取り出す歌がるた 草餅の色香を愛でる客ありて |
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