旅行記  ・臼杵の町並み/二王座あたり − 大分県臼杵市   


 石仏を観覧してから臼杵市街に引き返し、臼杵の町並みを散策しました。臼杵市は、稲葉氏6万石の城下町で、古くは大友氏の拠点があったことでも知られています。市の人口は約3万6千人で、市街地はあまり広くないところに密集して家々が建ち並んでいます。長い間区画整理が行われていないという町並みは、起伏に富んで坂が多く、慣れないと迷子になりそうなほどです。かつて関ヶ原の戦いによって転封された稲葉家に従って、岐阜から臼杵へやってきた商人たちが造り酒屋や商店を構え、今も当時の佇まいをそこかしこにとどめています。武家屋敷や大きいお寺などのほか、居住地にも商店街にも、また飲食街にも、古い建物が残っていて、古き良き日本を見るようでノスタルジックな気分になります。商店街から南へ入った辺りが「二王座(におざ)歴史の道」です。漆喰の壁と重厚感のある瓦屋根の武家屋敷、古い蔵やモダンな洋館などが立ち並び、江戸時代から今に至るまでの長い歴史を今にとどめています。臼杵市街は、歴史と文化を感じさせる町です。また、臼杵は、あのフォークの名曲「なごり雪」をモチーフにした大林宣彦作品・映画「なごり雪」のロケの行われた町です。下のメニューバーで切り替えてご覧下さい。                                  (旅した日 2003年6月)


 
「臼杵の町並み」へ 映画「なごり雪」へ
なごり雪
今、春が来て君は綺麗になった。 
去年よりずっと綺麗になった・・・。

 フォークの名曲「なごり雪」は、今から28年前の昭和50年に、大分県津久見市をふるさととする伊勢正三さんが作詞作曲した歌です。その後フォークシンガーのイルカがカバーして大ヒットし、多くのアーティストに歌い継がれてきました。伊勢正三さんが津久見の駅のホームから、遠く東京に憧れながら、空想の少女との別れを唄った「なごり雪」。その恋の物語が今、大林宣彦監督によって、臼杵を舞台にした映画となってよみがえりました。


監督:大林宣彦
脚本:南柱根、大林宣彦
音楽:學草太郎、山下康介、伊勢正三
製作:ピー・エス・シー、TOPエンタープライズ

配役:三浦友和(梶村祐作)、細山田隆人(祐作・過去)、ベンガル(水田健一郎)、反田孝幸(水田・過去)、須藤温子〔新人〕(雪子)


(2002年/日本/111分/配給:大映)


映画・「なごり雪」公式サイト


−STORY−
 一人ぽっちで自殺願望と戯れながら、五十歳を迎えようとしている男・梶村祐作を、二十八年ぶりに古里へと呼び寄せるかつての友・水田健一郎、この物語はそこから始まる。「妻が、……雪子が死にかけている。……祐作、帰って来てくれないか、臼杵に」。妻?……雪子。……雪などめったに降らない温暖な町に住みながら、雪が降ると奇蹟が起きる、……そう信じて、その名前の通り、雪を愛し待ち焦がれ続けた美しい少女。臼杵……九重連山に抱かれ、豊後水道に面した、温暖で風光明媚な古い城下町。祐作は、そこで少年時代を過ごし、水田や雪子と出会い、そして別れた。

二十八年ぶりに古里に戻った祐作が見たものは、全身に包帯を巻かれ、やがて訪れる死を静かに待つ、かつての親友の妻・雪子の姿だった。祐作の脳裏に雪子を見た最後の日がよみがえる。雪子の手から剃刀を奪おうとする水田。手首を血に染めて「違う!」と叫んだ雪子。あの夜、少女に何があったのか。逃れようの無い重い現実を前に、よみがえる青春の追憶。いつも自分を恋していた雪子。その気持ちを知りながら深く傷つけた自分。いつも雪子を恋していた水田。そしてまた、東京の大学へ向う自分をホームで見送り、春にはきっと帰って来て、とせがんだ雪子。約束を守れなかった自分。雪子は俺が守ると言った水田の姿。自分達は、この二十八年間、何を得て、何を失ったのか。「なごり雪」の切なくも美しい旋律に乗って、日本の古里の中、物語はやがてクライマックスへと向う。                                  (「公式サイト/物語紹介文」より)

【備考】上記の映画ポスターは、臼杵石仏観覧券発売所に貼ってあったものを撮影して記載させて頂きました。支障ある場合は、お手数ですがご連絡下さい。