旅行記 ・ウンスンカルタ − 人吉・球磨を訪ねて(5) 2005.11 |
16世紀半ばの元亀・天正(1570〜92年)の頃、肥前(長崎)大村藩に来航したポルトガルの船員たちから「南蛮カルタ」と呼ばれるカード遊びが日本人に伝えられました。その後、日本人の手で一部修正され「天正カルタ」があらわれ、さらに17世紀後半の元禄の終わりから宝永のはじめ頃、これを改良した『ウンスンカルタ』が生まれました。 カルタ遊びは、日本中で流行しましたが、寛政の改革(1787〜93)のとき、一切の遊興が禁止されました。それに伴い、カルタ遊びも全国的に弾圧されましたが、不思議なことに日本中でただ一ヶ所、人吉・球磨地方にだけにこの遊びが残り、今日まで伝えられているのです。 ポルトガル語でウンは「1」、スンは「最高」を意味します。「うんともすんとも言わない」という言葉は、ウンスンかるたで遊んでいて行き詰った様子に由来するという説があります。ウンスンカルタは、パオ(こん棒、クラブの原型)、イス(剣、スペードの原型)、コツ(聖杯、ハートの原型)、オウル(貨幣、ダイヤの原型)、グル(巴紋)の5種類のカードが15枚ずつの計75枚で、種類ごとに1〜9の数札とスン(唐人)やウン(七福神)など6枚の絵札があります。 |
|||
〜 ウンスンカルタのモニュメント 〜 |
絵 札(頭付) | 数 札(グジャ) | ||||||||||||||||||||
スン | ウン | ソウタ | ロバイ | レイ | カバ | (ぐざ頭) | |||||||||||||||
(唐人) | (七福神) | (女王) | (竜) | (七福神) | (騎士) | 九 | 八 | 七 | 六 | 五 | 四 | 三 | 二 | 一 | |||||||
パ オ 棍 棒 |
長 物 |
||||||||||||||||||||
イ ス 剣 |
強い 弱い |
コ ツ 聖 杯 |
丸 物 |
||||||||||||||||||||
オ ウ ル 貨 幣 |
|||||||||||||||||||||
グ ル 巴 紋 |
|||||||||||||||||||||
一 | 二 | 三 | 四 | 五 | 六 | 七 | 八 | 九 |
|
〜 ウンスンカルタのモニュメント 〜 | HOME |