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国登録有形文化財 十和田湖ホテル |
十和田ホテルは、国際情勢の緊迫などで幻となった 昭和十五年の東京オリンピックを前に、日本を訪れる外国人観光客のための宿として、政府の要請で建てられたホテルの ひとつであり、秋田県が昭和十一年に着工、十三年に完成し、十四年にオープンしました。 |
当時、秋田・青森・岩手の三県から 宮大工八十名を集めて技術を競わせたと伝えられていますが、日本三大美林の天然秋田杉の巨木を巧みに 配した木造三階建てで、外壁は杉の半丸太を張りつめています。 |
また、各部屋の床の間、天井、格子戸などの 意匠も一つ一つ異なり、それぞれが違った趣と表情を見せています。さらに、どの客室からも十和田湖を 眺望することができ、あたかもホテルの庭であるかのようなたたずまいとなっています。 |
設計は日本大学工学部土木建築科教授で あった、長倉謙介氏により行われました。 長倉氏は十和田ホテル建設のためヨーロッパ視察にも出かけたと いわれ、その成果が北欧の山荘を思わせる外観によく現れています。 |
様々な工夫を凝らした「木」の趣は、 いまなお学ぶべきものがあり、文化財的価値も高いといえます。 第二次世界大戦後、一時、米軍に接収されましたが、 昭和二十七年に秋田県が買い戻し、三十四年からは秋田県観光公社が運営に当たりました。 |
昭和三十六年秋田国体に際しては、 昭和天皇、皇后両陛下にご宿泊賜り、また各皇族方をはじめ吉田茂元首相やライシャワー元駐日大使など、 数多くの各界知名人にご利用いただいています。 |
建築後七十有余年を経たとはいえ、 樹齢の長い杉材を主体とした建物本体は頑丈そのものであり、 逆に年を重ねるごとに磨きがかかってきています。 |
特に、柱に使われている丸太は ますます独特の光を放ち、訪れる人々に驚きと感動を与えて、木造建築の 真髄を語るにふさわしい建物といえます。 |
平成十年に、風雪による外壁の 老朽化と陳腐化した機能の大改修を終え、日本の伝統を生かしながらも 居心地のよいホテルとして営業を再開しました。 |
日本で最も美しい湖の畔で歴史を刻む十和田ホテルは、 いつまでも当時の美しさを失うことなく、来たるべき百周年、二百周年へと限りなく「伝統ある歴史」を 作っていくことでしょう。〜以上、現地の説明板『十和田ホテルのあゆみ』より。 |
十和田ホテル株式会社 〒018-5511 秋田県鹿角郡小坂町十和田湖西湖畔 電話番号 0176-75-1122/Fax 0176-75-1313 安全確保のため、例年、雪深い季節(11月上旬〜4月中旬)は休業となります。 |
ヒメマス(姫鱒) 十和田湖は、かつては魚が一尾も棲まない、誰も観光に訪れない湖でしたが、和井内貞行とその一家の苦節22年の苦労と努力によって、ヒメマス(姫鱒)の移植用卵および稚魚の重要な供給源になりました。ヒメマスの香草パン粉焼き(写真上)とお造り(写真下)を頂きました。 |
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