謎の丸い巨石− 熊本県球磨郡多良木町
人吉盆地の東端の町並みを貫通する国道 219号と別れて峠越えとなる山道を進むこと24km。車の離合もままならない狭幅の幾多も曲がりくねった道のため、24kmの道のりを進むのに50分近くを要しました。ただ一個の丸い石を見るために出かけたのです。球磨郡多良木町で、崩土の中から直径 1m40cmの真ん丸い石が出現しました。人工的に磨いたものであれば単なる丸い石。しかし、自然石ということであれば、どうやって出来たのだろうか? 隕石か? 恐竜の卵か? 謎の丸い石と、空想が膨らみます。というわけで、テレビのワイドショーでも紹介されました。数千万年前に形成されていた砂岩が、長い時間の中で風化浸食により割れ、流される途中で角が円形となった砂岩礫(れき)と考えられるそうですが、果たして真実は・・・?『球を磨く』と書く郡名の由来と何か関係があるのでしょうか。(旅した日 2007年01月)
 
 謎の丸い巨石
槻木(つきぎ)大師堂に移設された石 丸い巨石は、出現現場から槻木大師堂(県指定重要文化財で弘法大師を祀ってある)へ移設されました。まるで、月のような丸さです。直径1m40cm、どのようにしてできたのか? ・・・謎の丸い石。 
隕石か? 恐竜の卵か? のようなこの石に触れるとご利益があるかも知れないということで、さっそくお神酒がお供えされ(写真上)お賽銭が(写真下)。錆びた鋼球のような表面をしています(写真下)が、鋼ではないようです。
 
小さな石も
小さな丸い石もあったのですね。大きい石のそばに置いてありました。 
  弘法大師さま(写真上)も大イチョウ(写真下)も仲間が
  できました。
杉木立を背景に微笑みの立像です(写真下) 
 
発見からの経緯 
  2006年7月20日〜23日
梅雨前線豪雨により林道槻木南線の法面(のりめん)が被災し、崩土の中から巨石が出現しているところを、24日、林務課災害調査班が発見。
 
2006年9月4日
東海大へ崩土の中の類似した石を持ち込み、調査を依頼。過去のある時期(数千万年前)に形成されていた砂岩が、長い時間の中で風化浸食により割れ、流される途中で角が円形となった砂岩礫(れき)と考えられるとか・・・。
 
 ガードレールに引っかかっていた丸石(写真上)    クレーンでトラックへ(写真下)  
2006年9月24日
 九州学院、済々高校が見地で調査。
2006年1月3日 御大師堂へ移設。
2007年1月6日
 テレビ朝日より取材(1月8日放送)。
2007年1月13日  TBSより取材。
2007年3月までに、東屋(あずまや)建設予定。
     
自然に出来たとは思いにくい真ん丸さですから、林務課災害調査班の人たちが、崩落現場で初めて目にしたときは、驚いたことでしょう。誰かのいたずらかと思ってみても、簡単にできるいたずらではありませんし。自然の造形の神秘です。
 
 ※ 上の2枚の写真は、現地に張り出してあった張り紙を接写したものです。記事も張り紙から。
 
 槻木の風景
石の置かれている槻木大師堂の付近は、椎葉や五家荘を思い出させる山あいの地で、槻木小学校(写真上)の近隣も数戸の人家があるのみでした。谷あいの底から見上げる空は、あくまでも澄んでいました(写真下)。
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