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崇福寺(そうふくじ)を訪ねて − 長崎市 |
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崇福寺(そうふくじ)は長崎の唐寺を代表する寺で、国内最古の唐寺・興福寺に遅れること9年、寛永6年(1629年)に中国福建出身の人々が故郷の明僧・超然(ちょうねん)を迎えて創建した黄檗宗(おうばくしゅう)の寺院です。興福寺が南京出身の人々の建立によるもので南京寺と呼ばれるのに対し、崇福寺は福州寺とも呼ばれます。朱塗りの竜宮門で知られる崇福寺ですが、九州にある5件の国宝建造物のうちの2件をこの寺がかかえ、国指定重要文化財5件を含む、計21件もの文化財を有するとても見ごたえのある寺院です。隠元禅師は、興福寺のあと崇福寺にも住し1年間を長崎で過ごしました。崇福寺は、隠元禅師ゆかりの寺でもあります。 (旅した日 2007年05月) |
崇福寺三門 | 国指定重要文化財 |
崇福寺三門 通常、寺の門は『山門』といわれますが、崇福寺の門は、3つ門扉があることから『三門』といわれます。さらに、二階建ての楼門となっています。竜宮城に似ていることから竜宮門とも呼ばれています。三門に掲げられた扁額の『聖寿山』の文字は、隠元禅師の筆。 |
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ベンガラの竜宮門や梯梧咲く ワシモ |
梯梧(でいご)といえば、別名、海紅豆(かいこうず)。沖縄県の県花ですが、崇福寺にも、竜宮門と色を競い合うように咲いていました。 |
国宝・第一峰門 |
蝙蝠と牡丹の紋 第一峰門の扉には、青い蝙蝠(こうもり)と牡丹の紋が飾られています(写真下)。中国で蝙蝠は、慶事・幸運のシンボルとされ、日本の鶴亀のように尊重されています。寛永元年(1624年)創業のカステラの福砂屋の商標には、12代のときより蝙蝠のデザインが使われています。牡丹の花は百花の王、強さを表す縁起物です。 |
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唐門・海天門・二の門・中門・赤門ともいわれ、隠元禅師の弟子で崇福寺の住職を務めた即非禅師(そくひ)禅師の書である『第一峰』の扁額が中央に飾られているため、第一峰門と呼ばれるようになりました。創建は1644年(正保元年)で、現在のものは1696年(元禄9年)に中国寧波で切り組され運ばれたものを再建したものといわれます。当初はここが山門で、1655年(明暦元年)、この門で隠元禅師を迎えました。軒下の複雑巧妙な詰組みは、国内に例がなく、華南地方でも珍しいといわれる貴重な様式です。 |
国宝・大雄宝殿(本堂) |
大雄宝殿(だいゆうほうでん) 大雄(釈迦如来のこと)を本尊とする大雄宝殿(だいゆうほうでん)は、何高材(がこうざい)という唐商の寄進により、中国で切組み唐船で運ばれ、生保3年(1646年)に上梁・建立された建物です。長崎市に現存する最古の建物で国宝に指定されています。 当初は単層屋根、つまり1階建てでしたが、35年後の天和元年(1681)頃、2階建てに重層化されました。下層(1階)部分は、軒回りに『擬宝珠付き垂花柱』、全廊部分が俗に黄檗天井と呼ばれるアーチ型の天井であるなど、中国建築様式であるのに対して、上層(2階)部分は和様を基調とし、しかも両者は違和感なく調和しています。 世にも珍しい内臓を持つ仏像 本尊である釈迦如来坐像(写真左)には、『内臓』があるのです。昭和10年(1935年)頃、仏像修理の際に内部から銀製の五臓、布製の六腑等が発見されました。内臓模型を入れるのは『生き身の釈迦』としてインドに伝説があるそうですが、金属製の内臓を持つのは、わが国の仏像としてはとても珍しいものとなっています。 擬宝珠付き垂花柱(写真下) |
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媽祖堂と媽姐(まそ)門 | 国指定重要文化財 |
媽祖堂(まそどう)(写真上) 唐船が長崎の港に在泊中、海上守護神である媽姐(まそ)像を船から揚げて安置し、航海安全を祈りしたところが媽姐堂です。崇福寺の現存の媽姐堂は、寛政6年(1794年)、唐船主らが白砂糖1万斤(きん)の代銀12貫目を寄進し、大改修を加えて再建されたものといわれます。媽姐像を中心に安置し、向かって右に、悪の兆候や悪巧みを聞き分けて、いち早く媽姐に知らせる順風耳の立像が、媽姐の進む先や回りを監視して媽姐を守る千里眼の立像があります。 媽祖門(まそどう)(写真右) 媽姐堂があるのは長崎の唐寺の特徴ですが、媽祖門を構えた媽祖堂は、崇福寺のみです。現存の媽祖門は、文政10年(1827年)に再建されたものです。媽姐堂の門としての役割と、大雄宝殿と方丈(僧堂)を結ぶ渡り廊下としての役割も兼ねています。八脚門・三間三戸の形式で、扉の前部は黄檗宗特有の黄檗天井となっています。 |
関羽像と韋駄天 |
三国志の英雄・関羽(かんう)像(=関聖帝君)が祭られ、隣りに韋駄天(いたてん)像が。韋駄天は、捷疾鬼(しょうしつき)が仏舎利を奪って逃げ去った時、これを追って取り戻したという俗伝から、よく走る神として知られる仏法の守護神です。転じて、足の速い人のたとえにされています。格好良いです。 |
ランタンフェスティバルの日 |
崇福寺境内のランタン 2005.02.14撮影 | |||||||
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