♪想い川
TAM Music Factory
せっぺとべ〜お田植え祭り− 鹿児島県日置市日吉町
                        (
『せっぺとべ』とは、『精一杯飛べ』という意味の薩摩地方の方言です。鹿児島県日置市日吉町といえば、平成20年のNHK大河ドラマ『篤姫』でお馴染みの小松帯刀の由来の地。その日吉町の日置八幡神社と鬼丸神社(小松家の先祖が祭神)では、毎年6月の第一日曜日に、『せっぺとべ』という伝統行事が行なわれます。代掻きのすんだ御神田に白装束の男たちが入って、肩を組み合い、声をかけ合いながら、泥んこになって飛び跳ねるのです。五穀豊穣を祈願するお田植え祭りで、約400年の歴史を持つと言われています。日置八幡神社とその御神田で行なわれた祭りの風景をアップロードしました。      (旅した日 2008年06月)


せっぺとべ
御神田で本番の『せっぺとべ』を踊る踊り手たち。日置八幡神社御神田で。


日置八幡神社で
境内でせっぺとべ

『せっぺとべ』の祭りは、9時から10時まで、日置八幡神社本殿で奉納踊りなどの神事があって、それから御神田にお下り行列がでるというので、自宅から車を飛ばして1時間余り、10時前に着いてみると、本殿横に水を張った仮田で、もう泥んこ飛びが始まっていました。

この日は無礼講。踊り手たちには焼酎が振舞われ、既に出来上がっている若者たちもいます。

祭りの由来
文禄4年(1595年)に、日置島津三代常久は、八幡神社を日置総鎮守社と定めました。そこで、虚無僧踊りや棒踊り、鎌踊りなど、各地区の踊りが奉納されるようになり、その一環として、『せっぺとべ』が行なわれるようになったそうです。田植えがしやすように田圃の土をこね、害虫をふみつぶす意味を含ませ、神に豊作を祈願します。お田植え祭りと言えば、田植えがメインになりますが、この『せっぺとべ』は、代掻きされた田んぼを飛び回るだけで、田植えはしないというユニークなお田植え祭りです。


お下り行列
お下り行列

本殿での神事が終ると、御神田へお下りの行列です。大王殿(でおどん)と呼ばれる高さ2m半ほどの大人形を先頭に、神輿が日置八幡神社の鳥居を出て、300m西片にある御神田に向います。神輿の前に太鼓や弓矢などを持った行列が行き、神輿の後に奉納踊りを舞う子供たちの行列が続きます。

『せっぺとべ』の舞台も、本殿から御神田に移るので、観客も一緒に移動します。

神事
せっぺとべの祭りは、神事を含む本来の奉納祭り部分と、泥んこ飛びを見物客に見せるためのイベントの部分に分かれているような具合で、お下り行列が御神田に到着すると、御神田脇に設けられた祭壇でお祓いと神事がおごそかにとり行われ(写真下)、その後踊りが奉納されます。御神田は見事に代掻きされ、まるで鏡面です。

一方、『せっぺとべ』の踊り手たちは、神事にはお構いなしに田圃に入り、走り回っています。


御神田で
まず、のぼり立てから

せっぺとべの踊りを始める前に、長さが20mぐらいの切り出しの竹の先端にぼんぼりや旗を付けたのぼりを御神田の畦の所定の場所に立てなければなりません。のぼりは、町内の7地区から一本ずつ計7本集まります。

のぼりを立てる役となった若者たちが、倒して濡らさないように田圃の中を走って運びます。倒れるようになるとどよめきが起き、首尾よく行くと拍手喝さいです。

待ちきれずに
泥んこ姿で、必死にのぼり立てをする若者たち(写真下)の一方で、待ちきれずに小グループで踊りだす若者たちも(写真左)。

日置八幡神社御神田の『せっぺとべ』は丁度正午に終りました。そこで、小松帯刀由来の鬼丸神社に行ってみると(車で10分ほど)、代掻きが済んだ御神田は綺麗に整えられ、踊った跡がなかったので、八幡神社御神田で踊った踊り手たちが、昼食を終えた後、鬼丸神社に移って奉納するのでしょう。


『せっぺとべ』本番
無事のぼりも立って、いよいよ踊り手全員で『せっぺとべ』です。
外人さんがいたり、ゴーグルをはめている人もいます。
正午まえ、八幡神社御神田の『せっぺとべ』はクライマックスです。


あなたは累計
人目の訪問者です。
 
Copyright(C) WaShimo All Rights Reserved.