旅行記　・世界遺産水原華城－韓国ソウルの旅（３）

♪アリラン（朝鮮民謡）

世界遺産水原華城－韓国ソウルの旅（３）

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ソウルの南約30km、京畿道水原（スウォン）にある世界文化遺産・華城（フワソン）は、全長5.5ｋｍの城壁が面積130haの丘陵平地をぐるりと一周して取り囲んだ城塞遺跡です。今から約200年前の1794年建造で、蒼竜門、華西門、八達門、長安門などの四大門をはじめとして、暗門、水門、敵台、空心敦、烽敦、砲楼、将台、角楼、鋪舎など、４８ヶ所の各種防御施設がありました。そのうち４１ヶ所が現存していて見物できます。今回、四大門の一つである蒼竜門と、東北弩台、東北空心敦、東将台の４つの施設を見物しました。　　　　　　　　　　　　　（旅した日　2009年09月）

蒼竜門

城外正面から見た蒼竜門（写真上）

華城（フワソン）

華城は、朝鮮王朝第22代王であった正祖が1794年（正祖18年）に着工し、２年９ヶ月後の1796年に完成しました。正祖は、党争に巻き込まれて王位につけず非業のうちに倒れた父親・荘献世子の墓を、楊州から水原の華山に移し、そこにあった官庁や民家を全部八達山の麓に移住させて城壁や塔、楼閣や城門を廻らして新都市を建設しました。これが華城です。日本には見られない平らな形をした城で、軍事的防御機能と商業的機能を兼ね備えていました。当時の朝鮮の城塞建設技術の粋を集め、そこに西洋の技術をも合わせたもので、城郭の築造に石材とレンガが併用されている点が特徴的です。２年９ヶ月の期間に、37万人の労力が投入されたといわれます（ウィキペディアより）。1997年、ユネスコの世界遺産（文化遺産）に登録されました。

蒼竜門から見た城内（写真上）

蒼竜門

華城の四つの大門のうち、東側に位置するのが蒼竜門（チャンニョンムン）。正祖19年（1795）年に建てられ、韓国動乱の時に焼失し、1976年に復元されました。アーチ形の積石の上に建てられており、外側には城門を守るため半円形に張り出したレンガ造りの垣根を設け、外を狙うための銃眼があけられています。
　
蒼竜門から反時計回りに、東北東北弩台、東北空心敦、そして東将台へと城壁を進みます。

	城内から見た蒼竜門と城外の高層ビル（写真下）

東北空心敦へ

蒼竜門から東北空心敦への出口（写真上）

東北空心敦

空心敦は、兵士が中に入って敵を見渡せるようにつくられた望楼の一種で、東北空心敦（写真下）は、黒レンガで円くつられた、華城の最も特異な建物の中の一つであり、中国の平敦を真似てつくったものだといわれます。壁の上下に穴をあけ、外の動静をさぐるととも銃砲が使えるようになっています。東北空心敦は内部が空洞で螺旋（らせん）形なので、別名『さざえ閣』ともいわれるそうです。

東将台から見た東北空心敦の風景（写真上）

蒼竜門から東北空心敦へ至る城壁（写真上）

東北弩台

弩台は楼閣なしにレンガで積んで高い台を造った施設で、弩（一度に沢山の矢を射る弓の一つ）を射るための施設です。華城には二ヶ所に弩台が設置されていますが、この中で蒼竜門と東西空心敦の間にある東北弩台（写真左）は、西弩台の城壁の内側につくられたものとは違い、雉城の上に黒レンガ積みでつくられています。
　
どこもかしこも、どの施設も、なんて丁寧で緻密で綺麗な石積み、レンガ積みなのでしょうか。37万人の労力の汗と血の結晶に違いありません。

	途中にある東北弩台（写真上）	東北空心敦（写真下）

東将台

東将台（写真上・下）

東将台（練武台）

華城には西東二つの将台がありました。西将台は八達山の頂上に位置する軍事指揮本部で、華城将台とも呼ばれ、一方東将台は兵士の訓練場として建てられた指揮本部で、錬武台ともよばれています。東将台は、高くはないですが四方にオープンななだらかな丘にあります。ここは城の東側の軍事施設の中で重要な所であり、華城の中でも最も威容を誇る場所だったそうです。城外の現代高層ビル群の遠景とが独特の趣を醸しだしています（写真下）。

東将台と城外の高層ビル（写真上・下）

【編集後記】

このページにアップロードした16枚の画像で、世界遺産・華城の壮大さ、建築物のつくりの丁寧緻密さ、そして美しさを十分に感じ取って頂けたと思います。しかし、見物したのは４１ヶ所のうちの４ヶ所、距離にして5.5kmのうちの400～500mに過ぎませんでした。2泊3日程度のツアー旅行だと所要時間１時間半程度で今回の蒼竜門から東北空心敦までの４ヶ所を見物するコースが定番になっているようです。いつか機会を得てフリープランの旅で１日じっくりかけて全個所を見て回りたいものだなと思います。

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