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村所神楽(西米良神楽) その1 |
千葉市と同じ広さだけれど森林が96%を占める土地にわずか1,200人が暮らす宮崎県西米良村(にしめらそん)。落人の秘境を彷彿とさせるようなところですが、『西米良型ワーキングホリデー制度』を導入するなどして、過疎克服の村として注目を集めている村です。その西米良村の村所公民館で2016年の12月17日(土)の1午後7時から翌日の午前7時まで、舞われた『村所神楽』を観に行きました。西米良の神楽は大きく分けて『「村所神楽』、『小川神楽』、『越野尾神楽』の三つで構成されています。 |
米良神楽(めらかぐら) 米良神楽は大和神楽の流れをくむものである。南北朝時代、肥後の菊池氏が九州における唯一の朝廷方の豪族として、勤王の旗印を上げていた時に征西将軍の宮・懐良親王(かねよししんのう、後醍醐天皇の第7皇子)は幼少にして大命を拝して肥後の地に御下りになった。時折親王のお心を慰め申しあげるために、当時、京の都や宮中において舞われた舞を、随従の公爵・武将によって舞われた舞が、今日の米良神楽の流れである。 |
後、肥後の菊池氏は菊池の本城落城の末、征西将軍の官を奉じて米良山中に入山したと伝えられる。世は下り、文明3年(1472年)懐良親王を祭る大王宮が建立されるや、征西将軍の宮が生前好きであった舞を神前に奉納した。これが米良神楽の始まりである。米良神楽の組み立ては岩戸神楽になぞらえて、最後に岩戸開き3番を加えた。しかし、全体の構成は米良神楽独特のものである(以上、当日現地で頂いたチラシから部分転載しました)。このページには、33番中の1番〜17番の舞をアップしています。 |
しめおがみ 注連拝 |
神楽奉納の始めに当たり、諸々の不浄を祓い清める儀である『修祓』(しゅばつ)、神前と神屋にお供え物が運ばれる神事である『献餞』(けんせん)につづく、3番目の『注連拝』(しめおがみ)から鑑賞した。注連拝は、正面に天照大神、右に豊受大神を勧請して、その神前にて声高らかにお祓いをとなえる神事である。 |
きよやま 清山 |
清山(きよやま) 舞手二人、神事の清めの舞で、御神屋に勧請した天照皇大神、豊受大神の御前の神楽場の清め舞。前段は優雅な舞で、後段は軽快な乱れの舞へと次ぐ。 |
はさみまい 挟舞 |
挟舞(はさみまい) 舞手二人、米良神楽の基本舞である。神楽の前と後をはさむことから挟みという名が用いられたもの。この舞い振りは米良神楽の基本であり、朝鮮舞・唐舞の舞い振りが取り入れてあり、かつて奈良や平安の時代に大陸文化の影響を受けて、出来た日本の古い文化の流れをくむ。 |
ぢわり 地割 |
地割(ぢわり) 舞手四人、刀を持って舞う。約二時間もかかる。天神地祇を祀り、民の生きる喜びを共にする場を造り固め、守り清める舞である。 |
前段は荘重な舞、中段は祈りの舞であり、後段は軽快で勇壮な舞で組み立てている。舞は国作りを現わし、東・西・南・北・中央と割り清める。 |
てんにん 天任 |
天任(てんにん) 舞手二人、米良神楽を代表する宮中神楽である。優雅で上品な舞、唐舞・朝鮮舞で組み立てられている。天子様に仕える若人の舞。 |
へいさしまい 幣差舞 |
幣差舞(へいさしまい) 舞手二人、腰に幣をさして舞う。この舞は米良草分けの老将軍征西将軍宮懐良親王であらせられる天王様のお降りをおむかえする舞である。 |
だいおうさまのまい 大王様の舞 |
大王様(だいおうさま) 大王様とは征西将軍宮懐良親王をいう。米良入山の当時のお姿で神楽場にお降りになる。 |
じいさまのまい 爺様の舞 |
爺様(じいさま) 一説に大王様の父上とも称され、また一説にはこの方が懐良親王で大王さまは御子君良宗親王ともいわれる。この方を昔からお爺様と申し上げた。 |
ばあさまのまい 婆様の舞 |
婆様(ばあさま) 大王様の奥方様の舞である。孫七人をお守りしながら遊びの様が神楽の中に取り入れてあり、米良歴史物語の神事劇である。 | ||
ななつめん 七ツ面 |
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七ツ面(ななつめん) 七人の孫が舞い遊ぶ様子を現したものであるが、一説には七人の公爵・武将とも伝えられている。小学校の児童たちを参加させている。 | ||
すみよしのまい 住吉の舞 |
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住吉舞(すみよしまい) 宇佐八幡宮(村所八幡神社)の祭神の舞をむかえる神前の舞をいう。舞手四人、米良神楽中最も優雅で品格の高い舞である。また米良神楽を代表する神楽でもある。荘重で唐舞・朝鮮舞の極致が舞込まれて、見あきのしない舞である。 | ||
はちまんさまのまい 八幡様の舞 |
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八幡様(はちまさんさま) 八幡様祭神の舞である。八幡様は応神天皇、征西将軍宮懐良親王・米良重為・米良重鑑公を祭る。但し、神楽にお降りになる方は重鑑公をさして八幡様と申し上げている。出陣の姿で舞を納める歴代の宮司がこれを受け持つ。家内安全・武運長久等を祈願している。 | ||
みたらいさまのまい 御手洗様の舞 |
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御手洗様(みたらいさま) 八幡様つまり米良弥太郎重鑑公の奥方様の舞である。この方を呼んで『御勝様』という。自刃の時は臨月であったので、安産の神として信仰厚い女神の舞である。 | ||
ししまい 獅子舞 |
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獅子舞(ししまい) 御手洗様の舞の中ほどから、獅子が祭りの場に現れる。この面は横山佐左衛門の作で約二百年経っている。応神天皇の御神霊を千頭の猪が出迎えたという古事にならったものであるが、また米良山中の猪と舞い遊ぶ姿をあらわしたものでもある。 | ||
おおやまずみのみことのまい 大山祇命の舞 |
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大山祇命(おおやまづみのみこと) 磐長姫命(いわながひめ)をたずねて米良山に入山された大山祇命は、遂に狭上の深山にてなくなられたと云う。八幡宮の祭に猪を追ってお降りになり、獅子と共に舞い遊ぶ様を神楽にして舞い納める一場面である。 | ||
33番中の18潘〜33番の舞については、次のページに続きます | ||
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