ワシモ(WaShimo)のホームページ
 
旅行記 ・県境の棚田 − 出水市〜水俣市 2015.06
県境の棚田
県境(出水市芭蕉)の田植え
 標高687mの
矢筈岳
(やはずだけ)の峠を越えて鹿児島県出水市と熊本県水俣市を
つなぐ10数kmの県道117号。
機械植えできない箇所は手植えです。 
  その県道に入って少し進めば、
車の離合もできなりほど狭幅になり、鬱蒼
(うっそう)とした樹木が道路を
おおいます。まるで林道を登って行くようです。
端正な石垣とベコニア
tannseina   その道路をよりどころに、
それぞれ数軒の民家が点在する集落が、鹿児島県側の出水市芭蕉
(ばしょう)地区と
熊本県側の水俣市招川内
(まんぱ)地区。
山峡の空を映して。一人農作業
ひっそりとした
山あいの辺境の地ですが、田植えの時季になると、綺麗に石積みされた
棚田に満杯の水が湛
(たた)えられます。
整然と植えられた田は美しい
村の風景が
よみがえり、ここでも丁寧に暮らす生活がきちんと
営まれていることを再確認させられます。
夫婦二人して
村に残った年寄だけでの
田植は難儀だというので、この時季になると家族や親類縁者が
帰省して一斉の田植えとなるのでしょう。
水を満杯に湛えて
腰を曲げての田植えは、
慣れない人たちにはきつい仕事でしょうが、田植えの終わった田は
稲が整然と植えられていて美しいです。
 畦に咲く花
実は、ここの芭蕉地区の
棚田は、12年前の2003年9月、一本の柿の木を中心に扇形や弓なりの形の田んぼが
放射状に配置されている風景を撮りに来ていたのです。
生活の温もりが・・・
今回、田植えのこの時期にここを
再度訪ねたのは、水を張った代田のその風景はどんななんだろうと、
ずっと気にかかっていたからでした。
織りなす曲線が美しい
ところが、その目当ての棚田の
風景は確認できませんでした。たまたま通りかかった人にたずねてみると、
田んぼが崩れて今は耕作していないとのことでした。
矢筈(やはず)峠。これより熊本県
県境を越える峠は矢筈(やはず)峠。
矢筈とはもともとは、弓の弦
(つる)を受けるために矢の尾部をV形に加工した部分のこと。
地形がそれに似ていることに由来するのでしょうか。
峠を下ると水俣市招川内(まんば)地区 
 峠を熊本県側へ下ると、
水俣市の招川内
(まんば)地区。とても”まんば”とは読めません。県境を越えて
ところ変われば、家の雰囲気もちょっと変わってきます。
山の中腹の山あいに開かれた棚田
山に迫った田んぼを
迫田
(さこだ)といいます。山の湧き水を使って作るので、
迫田の米は美味しいといわれます。
水の微妙な落とし加減が重要
水田の水の取り入れ口を
水口
(みなくち)といいます(写真上)。水の微妙な落とし加減が肝要。
毎日、朝晩の監視が必要となります。
山の峰を映して
加えて、
山あいの田んぼでの耕作は、出没する獣類の
被害対策が必要です。
石垣が印象的
どこにいっても
棚田は石積みの石垣が美しい。棚田を開墾した先人の
努力と丁寧さが偲ばれます。
田んぼと共に・・・
水俣市の市街地より
山側へ約9km奥まったところにある
湯の鶴温泉の民家は
棚田のたもとに佇んでいます(写真下)。
棚田のたもとに佇む民家
   棚田を訪ねて(4) ⇒  湯の鶴温泉
あなたは累計
人目の訪問者です。
 

Copyright(C) WaShimo All Rights Reserved.