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旅行記 ・川辺二日市 2019− 鹿児島県南九州市 2019.02.02
川辺二日市
川辺二日市
川辺二日市 薩摩半島南部に位置する鹿児島県南九州市に春の訪れを告げる川辺二日市(かわなべふつかいち)は 230余年も続く伝統市です。川辺町の商店街約 1.3kmの両側に、露店約 400店舗がずらりと並び、毎年約15万人もの買い物客で賑わいます。今年(2019年)は、2月2日(土)と明日3日(日)の開催でした。
いろいろな屋台が並びます
商店街の他特設会場ではフリーマーケット・仏壇フェスタ・九州骨董市・安土桃山風の楽市楽座があり、また『心の二日市』を目指しており、バナナのたたき売り、猿回し、バルーンアート、チンドン行列などの大道芸もあって、一日中楽しめるます。訪ねた2月2日は天気に恵まれ、大勢の人出で賑わっていました。
食べ物の屋台が多いです
屋台でまず多いのが食べ物。お好み焼き、たこ焼き、グレープ、チーズちくわ、焼き鳥、焼肉、回転饅頭、するめ、はしまき、とうもろこし、ポテトなどののぼり旗が並びます。『はしまき』は、大阪よりも西の中国・九州地方のお祭りの屋台売っている食べ物で、お好み焼きを薄くして、くるくると箸(はし)で巻いて食べやすくしたものです。
射的(しゃてき)ゲーム
市(いち)や縁日などで必ず見かけるものの一つに射的(しゃてき)があります。射的の歴史は古く射礼(じゃらい)と呼ばれる儀式として平安時代より宮廷で行われていたそうです。庶民においては江戸時代以降に市や縁日や祭りなどの祭り文化の一つとして栄えました。
ウサ耳帽子のくじ引き屋
最近韓国のアイドルの中で流行っていると話題沸騰のうさぎの被り物『ウサ耳帽子』。うさぎの爪を押すとぴょんぴょん耳が動います。SNSで拡散して日本でも流行りはじめているようです。この『ウサ耳帽子』がもらえる『くじ引き』をやってました。よく当たっているようでしたが。
大島紬を着た女性の姿
大島紬のキャンペーンの人でしょうか、大島紬を着た姿を見かけました。いかにも鹿児島県下で開かれている市(いち)という雰囲気があります(写真上)。例によって、市(いち)のはずれでは植木屋さんが苗木を並べています。この時期は柑橘類の苗木が多くならびます(写真下)。
柑橘類の苗木
茅の輪(ちのわ)は、茅(かや)または藁(わら)でつくった大きな輪で、これをくぐるこによって心身を清めて災厄を祓い、無病息災を祈願するものです。神社なので6月に行われる夏越の大祓に使われますが市(いち)に来た人の開運・金運・厄除けを願って、大きなハート型のものが設置されていました(写真下)。
茅の輪くぐり
チンドン屋
お目当てのチンドン屋さんがやってきました。
川辺二日市の見学のお目当ての一つがチンドン屋でした。チンドン屋は、チンドン太鼓と呼ばれる楽器を鳴らすなどして人目を集め、その地域の商品や店舗などの宣伝を行う日本独特の請負広告業でした。披露目屋・広目屋(ひろめや)・東西屋(とうざいや)と呼ぶ地域もあるそうです。
楽器はトランペット、チューバ、アコーデオン、チンドン太鼓など
3人から5人ほどの編成が一般的で、チンドン太鼓、楽士、ゴロス(大太鼓)を中心に、旗持、ビラまきらが加わります。ビラまきは、チラシ、ティッシュなどを配布し、『背負いビラ』と呼ばれる店名やサービス内容が書かれたポスターのようなものを各人が背中に背負います。
賑やかに人目を集めるのがチンドン屋の役目です
戦後の復興の中でチンドン屋は勢いを取り戻したが、1960年半ば頃からテレビが普及するようになると広告塔としてチンドン屋は古くさいものとなりました。そして商店街の消滅とともに見られなくなり今では懐かしい光景となりました。イベントなどに登場するチンドン屋にその歴史が受けつかれているわけです。、敗戦後の庄内藩の再建を進めて行くことになります。
『背負いビラ』を背負ったビラまき
猿回し
とんぼ返り
猿回しとは、猿使いの口上や太鼓の音に合わせて猿が踊りや寸劇などを見せる大道芸の一種。猿を使った芸は日本へは奈良時代に中国から伝わったとされています。昔から馬の守護神と考えられてきた猿を使った芸は、武家での厩舎の悪魔払いや厄病除けの祈祷の際に重宝されました。
輪くぐり
初春の門付(予祝芸能)を司るものとして、御所や高家への出入りも許されていました。それが室町時代以降から徐々に宗教性を失い、猿の芸のみが独立して、季節に関係なく大道芸として普及していきました。大正以後昭和にいたって衰退し、昭和30年代(1955年〜1964年)に猿まわしはいったん絶滅しました。
棒のぼり
しかし、1970年に俳優・小沢昭一(1929年〜2012年)が消えゆく日本の放浪芸の調査中に山口県光市の猿まわしと出合ったことをきっかけに、1978年(昭和53年)に周防猿まわしの会が猿まわしを復活させ、現在は再び人気芸能となっています。(以上、猿まわし - Wikipedia より)
竹馬乗り
銀杏まな板
銀杏(イチョウ)まな板
〔銀杏まな板〕銀杏(イチョウ)でつくられたまな板は、刃当たりがやさしく包丁を傷めない、水はけがよく、においも残りにくいなどの良さがあることから、古くからまな板に使われてきました。〔日田下駄〕大分県日田市は天領だった天保年間(1830〜1844年)に代官が殖産興業の手段として下駄づくりを奨励したことから発展しました。
猫の土産『またたび』
当初は桐下駄が生産の中心でしたが、明治・大正の頃には日田盆地に産する杉で生産されるようになりました。明治40年以降、機械が導入されるようになり、日田は質および量ともに静岡(静岡県)、松永(広島県)に並ぶ下駄の三大産地となりました。今でもなお下駄を全国に広めています。特に表面を焼いた焼杉下駄を特徴とします。
日田げた
井料もち屋の回転焼き
川辺二日市の日にしか焼かない回転焼き
『井料もち屋』の回転焼きは川辺二日市の日にしか焼かないことがあってか、毎年長い長い待ち行列ができることで有名らしいです。店員さんが3人で手際よく焼いています。確かにアンコもてんこ盛り。通常のものの2倍ぐらいの量あるかも知れません。ネット検索してみたら1時間半ぐらいの待ち時間とあります。
やっと買える順番がやってきます
そこで、やっと買う順番が来た女性の方に『どれぐらい待ちましたか?』とたずねたところ、なんと『3時間待ちました!』と。白あんこ、黒あんことも一個100円で、一人10個までの販売だそうです。写真で雰囲気が分かる通り、騒いだり不平を漏らしたりすることなく、整然と待ち続けます。本当に感心させられます。
待ち行列の最後尾から撮った写真です。
薩摩仕込み金目鯛
暖簾も鮮やかで目につきます。
金目鯛といえば伊豆ですが、鹿児島産があったのですね。東伊豆の片瀬温泉の旅館で美味しい金目鯛の煮付けを頂き、ひもの街道でお土産に干物を買って送ったことを思い出します。そんな話しをしたら安くしてもらえました。特大サイズを2枚お土産に買いました。
御神酒干しというのも目出度いです。
トカラ海域で操業している漁業者である指宿市山川の(有)カーマインさんが東シナ海トカラ沖(屋久島から奄美大島間の海域)の深海から一尾一尾大切に釣り上げた一本釣り金目鯛で作る漁師こだわりの一夜干し『金目鯛御神酒干し』。鹿児島県漁業振興大会第48回水産物品評会(平成26年)で鹿児島県知事賞を受賞しています。
一尾一尾大切に釣り上げた金目鯛です。
坊津の華
手づくり塩屋『坊津の華』
鹿児島県内でも釜炊きで塩が作られていたのですね。知りませんでした。坊津(ぼうのつ)は薩摩半島の南部にある町で、古くから大陸との貿易で栄えたところです。奈良時代には鑑真和尚が上陸したことで知られています。坊津の海は海は黒潮が流れ込み、鹿児島でも屈指の透明度と美しさを誇り、サンゴ礁の生息地でも知られています。
釜だき塩『坊津の華』
日高則夫さんは11年前から夫婦二人で、東シナ海の恵みに富んだ海水をポンプで汲み上げ、それを天日と風の力でゆっくりと濃縮し、最後は釜炊きして仕上げる工程を、真心込めて一つ一つ手作業でされています。『坊津の華』は、山と海の恵みを一杯に受けた 100%天然の塩です。
『坊津の華』でつくった塩あめ
鹿児島の鍛冶屋
(有)外薗金物店(加世田)
市(いち)で売られている刃物と言えば、土佐打刃物(高知県内で決められた製法で作られた包丁、鎌、鉈、鋸、鍬などの刃物)ばかりだと思っていましたが、鹿児島にも鍛冶屋さん(打刃物)があったのですね。(有)外薗金物店(加世田)と(株)深水(枕崎)さんが店を出していました。
(有)外薗金物店の包丁
(有)外薗金物店さんは、薩摩藩の武士によって育まれた技術を受継ぐ、加世田鎌と加世田包丁を製作する鍛冶屋。(株)深水さんは鹿児島県川邊郡加世田村津貫(南さつま市)から南方村西鹿篭(枕崎)に転居し鍛冶屋を続けてきており、薩摩守(包丁・鎌)とそのロゴが商標登録されています。
(株)深水(枕崎)
 
クヌギの苗木
葉が枯れた状態で売られるクヌギの苗木
市(いち)で枯れ葉の付いた木を売っていて、それを買って背負っている人を見かけます。これは、焚きものにする木ではなく、『クヌギの苗木』です。クヌギは落葉樹なので冬になると葉が枯れますが、落葉しないで枝についたままです。これは落葉するために葉のつけねのところにできる離層の形成が不完全なためです。
クヌギの苗木を背負っている人
クヌギの苗木を葉が枯れないうちに移植すると葉からの蒸散が起きて樹木本体が枯れてしまうので、葉が完全に枯れてから苗木として売られているわけです。同じくブナ科コナラ属の落葉樹であるコナラやカシワも同様に枯れても落葉しません。なお、クヌギの枯れ葉は、カブトムシやクワガタの隠れ家として利用されています。
クヌギの苗木を背負っている人
かわなべ牛
かわなべ牛の販売
『川辺に住んでいながら、食べたことないんだよな〜、かわなべ牛を!』と話す人がいました。高いのでしょうね!。『かわなべ牛』は、川辺町の畜産農家で15か月以上飼育した肉牛(黒毛和種)で、日本食肉協会で定める4等級以上のもののうち、肉質・脂肪質が特に優れたもののみに命名できるブランドとして出荷されています。
かわなべ牛の販売
椿油づくり
手づくりの椿油
手づくりの椿油を売っている店が二軒ありました。一軒は高齢者クラブの活動として椿油をつくっている店で、もう一軒は個人でやられている店でした。椿油づくりのコツを教えてもらいました。9月中旬から11月中旬頃までの間に採取しますが、特別に椿園があるわるわけではなく、庭や畑や山に植わっている椿の実を集めます。
手づくりの椿油
実はひび割れたものを収集し、水洗い後天日で5日間乾燥させます(割れていない実から無理やり取り出しても収穫にならないそうです)。オイルポットで油をこす網(フィルタ)はダスキン製のものがいいそうです。オイルポットを電気こたつの中に放置してこすのだそうです。
手づくりの椿油(油かす)
 
川辺仏壇・彫金
仏壇展示会(川辺仏壇共同組合)
川辺町は日本有数の仏壇産地として知られています。仏壇共同組合さんが展示会を開催し、(有)木原製作所・キューアートさんが薩摩彫金を出品していました。川辺仏壇は、川辺町で製造されている仏壇。金仏壇の京型仏壇で、組立て工程の一部に金箔押しが組み込まれています。昭和50年(1975年)5月、国の伝統工芸品に指定されました。
薩摩彫金(木原製作所・キューアート)
(有)木原製作所・キューアートさんは、川辺仏壇の製造の中で培われた錺(かざり)金具工芸の技を生かして、寺社や鎧兜などの装飾金具のデザイン・製造のほか、新しい感覚の金属工芸品の開発・製作に取り組んでいます。『薩摩彫金』は、錫や金、銀、銅などを素材にした金属工芸品です。
薩摩彫金(木原製作所・キューアート)
知覧茶
知覧茶(試飲)
鹿児島県南九州市といえばもう一つ知覧茶があります。平成19年に頴娃町、川辺町、知覧町が合併し南九州市が誕生すると、市町村単位での生産量第1位の緑茶産地になり、それまでの知覧茶、頴娃茶、川辺茶の名前が『知覧茶』のブランド名に統一されました。川辺二日市では無料で知覧茶が振舞われていました。
知覧茶(試飲)
お土産
 金目鯛の干物、坊津の華の塩あめ、穴窯の陶器
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