旅行記  ・ 凱旋門と石蔵 − 鹿児島県姶良(あいら)町   



鹿児島県姶良(あいら)の酒屋さんで、「山田の凱旋門」(限定発売)という名前の焼酎を売っていました。凱旋門(がいせんもん)と言えば、パリのシャルル・ド・ゴール広場に建つ凱旋門(完成1836年)のことと思いますが、実は日本にも凱旋門があったのです。それも帰省先の近くに現存していました。1906(明治39)年3月、日露戦争の勝利と山田村(当時)からの従軍者の無事の帰還を記念し、山田村兵事会が石造りの凱旋門を建造しました。それが、山田の凱旋門です。現存する凱旋門は大変珍しく、歴史的に貴重なものと言われています。一方、焼酎「山田の凱旋門」を造ったのは、姶良にある白金酒造(株)という、1869(明治2)年創業の、石で作られた石蔵を持つ蔵元さんです。その白金酒造の石蔵と山田村の凱旋門は、2001(平成13)年に国の有形文化財に指定されました。それを記念して、旧山田村の有志が麹米を提供して造られたのが、この「山田の凱旋門」という焼酎なのです。秋たけなわの快晴の日、山田の凱旋門と白金酒造を訪ねました。訪ねた蔵元さんでは、ちょうど手造り焼酎「石蔵」の仕込み中で、石蔵には芳醇な香りが漂っていました。4合瓶の「山田の凱旋門」と「石蔵」を買い求めました。 


コラム・『焼酎の話し』(http://www.washimo.jp/Report/Mag-syocyu.htm )と併せて、ご覧下さい。


                                                              (旅した日 2003年11月)



山田の凱旋門  凱旋門は、高さ4.71m、幅4.88m、奥行き1.21mの石造りです(写真右、左上)。山田凱旋門に至る道路に「山田橋」という橋がかかっています(写真左下)。1929(昭和4)年にかけられたもので、親柱がちゃんと残っているたいへん珍しい橋です。(※ 親柱とは、橋の両側に立つ石柱で、橋名や架橋年月日が彫り込まれる。)




限定焼酎
山田の
凱旋門



この焼酎は、平成13年に山田の凱旋門が、白金酒造(株)の石蔵とともに国の登録有形文化財に登録されたことを記念して、旧山田村の有志が麹米を提供して仕込んだものです。アルコール度数25度。写真は、購入した4合瓶(720cc)のもの。1升瓶のものあります。
手造り焼酎
石蔵(いしぐら)


昔ながらの、かめ仕込み・木桶蒸留機仕上げを再現して、石蔵で手造りされる焼酎。その昔は西郷隆盛がこよなく愛した焼酎といわれる人気の焼酎。原材料 甘藷・白麹 アルコール度25%。テレビ番組「発掘あるある大辞典」でも紹介された焼酎です。購入したのは、写真に示す4合瓶(720cc)のもの。



石蔵 白金酒造  国の登録有形文化財の指定を受けた石蔵(写真右上・下)。1877(明治10)年の西南の役では、一時、西郷軍の陣屋になったと言われています。石蔵の裏には、室屋(むろや)という麹(こうじ)室があって(写真右下の白壁の建物が室屋)、もろぶた(木の平箱)の中で水稲うるち米に麹菌がまぶされ寝かされます。もろぶたなどの道具は、「室づかれ」というのがあって、定期的に休ませ、水洗いをして天日干されます(写真右下)。
       
黒ぢょか あらかじめ前日より、割り水(焼酎6:水4)しておいた「黒ぢょか」を直接弱火にかけます。「黒ぢょか」の表面が人肌程度に温まった頃が飲み頃です。



かめ仕込み・木桶蒸留 原料は、薩摩産の最高級芋・黄金千貫(コガネセンガン)です(写真右上)。温度変化、湿度変化の少ないといわれる石蔵に並んだ仕込み瓶(かめ)(写真右上)。木桶(きおけ)蒸留器による蒸留は、現在では大変貴重な蒸留法となっています(写真左下)。石蔵の2階は、ゲストルームになっていてます(写真右下)。焼酎や黒薩摩の「黒ぢょか」などが陳列されています。ゆったりとした座敷にすわって、焼酎の手造り風景のビデオをみせてもらいました。


【備考】
・本ページは、白金酒造(株)のご承諾を得て公開しています。白金酒造(株)の公式ホームページアドレスは、次の通りです。 
 → http://www.shirakane.jp/


〔参考になるサイト〕
・白金酒造:「石蔵」の仕込み風景 → http://www.shirakane.jp/ishigura.html
・焼酎紀行〜お蔵探訪〜 → http://www.shochu-kikou.com/touji/kagoshima/shirogane2/shokai/


あなたは累計
目の訪問者です。
 
Copyright(C) WaShimo All Rights Reserved.