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♪Prologue | ||
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ベッコウトンボを訪ねて − 鹿児島県薩摩川内市 |
本HPの管理者の自宅から車で十数分のところに、藺牟田(いむた)池という火山湖があります。泥炭形成植物群落があることで知られ、2005年(平成17年)にはラムサール条約に登録された湖ですが、絶滅のおそれがあることから国内希少野生動植物種に指定され、トンボで唯一捕獲が禁止されている『ベッコウトンボ』の生息地でもあります。ベッコウトンボは、羽化(うか)直後の未成熟の個体の体色や翅斑(羽のまだら模様)がベッコウの色や模様に似ているところからこの名があります。ちょうど、羽化の時季になったので出かけてみたところ、折り良く撮影できました。未成熟のベッコウトンボの写真をアップロードします。成熟すると黒色になりますが、その姿は後日追っかけてみたいと思っています。 (旅した日 2006年04月) |
藺牟田池は、標高295mの藺牟田火山の火口原に発達した、周囲約3.5km、水深が約3mの扇形の火口湖で、飯盛山(写真中央)、愛宕山、舟見岳などの外輪山があり、県立の自然公園となっています。2005年(平成17年)にラムサール条約に登録されました。 |
撮影日 2006.04.23 |
ベッコウトンボ(トンボ目トンボ科) 成虫の羽を広げた大きさは7cm程度。 羽化直後の未成熟の個体の体色や翅斑(羽のまだら模様)がベッコウの色や模様に似ているところからこの名前があります。成熟すると黒色になります。 生息している地域が局所的であり、絶滅のおそれがあることから、1994年に『種の保存法』で『国内希少野生動植物種』に指定され、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧I類(CR+EN)とされています。 トンボで唯一捕獲が禁止されていて、調査研究のための捕獲等には環境庁の許可証が必要で、許可証なしで捕獲等を行った場合には法律で厳しく罰せられます。 |
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撮影日 2006.04.23 |
1969年には宮城県北部から鹿児島県まで、主として本州を中心に分布していましたが、2000年の本州における生息地は三ヶ所しかなく、九州においても大分、鹿児島を除けば絶滅または絶滅寸前の状態となっています(下記参考サイトより)。 ここ、藺牟田池の生息地は、『種の保存法』に基く『生息地等保護区』に指定されています(1996年、153ha)。 平地や丘陵地のガマやヨシ、マコモなどの生えた泥深い大きな池沼などに生息しますが、埋め立て等による生息地の消滅と農薬などの影響などが、ベッコウトンボの減少の原因と考えられています。 |
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撮影日 2006.04.23 |
ラムサール条約 1971年に制定され、1975年発効した湿原の保存に関する国際条約。 水鳥にとって貴重な生息地である湿地を、乱開発から守る目的で作られた。 日本語での正式名称は『特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約』通称は、この条約に関する最初の国際会議が開催されたイランの都市ラムサールにちなんでいます。 2005年現在、締結国は 147国で、登録湿地数は 1,524となっています。日本では、33か所が登録されています。 |
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撮影日 2006.04.23 |
撮影日 2006.04.23 |
藺牟田池には、数多くの泥炭質の浮島があることが特徴で、1921年(大正10年)に国の天然記念物に指定されました。泥炭は、何万年もの時間をかけて、徐々に石炭へと変化していく最初の段階のもので、ふつう日本列島の中部以北に多く存在しますが、南方地域に存在するのは珍しく、学術的にも貴重なものとされています。 |
水深が浅いため湖にはボートが浮かべられ、水面には白鳥が遊びます。湖を一周できる貸し自転車などもあり、県民の憩いの場や若者たちのデートコースとなっています。また、遊歩道を散策したり、外輪山の登山を楽しむ人も多いです。 |
【参考サイト】 ・ベッコウトンボ減少した原因 → http://www17.ocn.ne.jp/~kurasina/genin.html |
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