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犬飼火流し |
『犬飼火流し』の横断幕 |
鹿児島のお盆は、 8月13日〜15日の3日間。最終日の15日は送り盆です。この日は、鹿児島県霧島市牧園町 下中津川の犬飼地区では、毎年『火流し』が行われます。 |
盆提灯が吊るされはじめました。 |
由来は、 先祖の霊を送る精霊流しに通じると同時に、田畑の害虫を封じ込める 虫送りの意味もあるそうです。 |
橋の上に吊るされた盆提灯 |
犬飼地区は、 霧島山麓の深い山あいを流れる清流・中津川に沿った 戸数60戸ほどの小さな集落です。 |
約200個の盆提灯 |
下流には、 あの明治維新の立役者、坂本龍馬が幕末のころ妻おりょうと新婚旅行で 訪れたという『犬飼の滝』があります。 |
そして、盆提灯に火が灯されます。 |
また、近くには、 奈良末期から平安初期の律令官僚、和気清麻呂が道鏡の皇位継承を阻んだ怒りを買って この地に流されたとされる和気神社があります。 |
フリこれは筏に焼(く)べる孟宗竹 |
そんな犬飼で 行われる『火流し』は、江戸時代から300年以上続けられているという伝統行事。 一度も途絶えたことがないそうです。 |
火の灯された盆提灯 |
同日は、 集落の大人たちが朝から孟宗竹で約4メートル四方の 筏(いかだ)を組みます。 |
上流で筏に火かつけられ、下りはじめます。 |
そして、 子供たちが集落を廻って、もらい集めた七夕飾りなどを稲ワラと ともに筏(いかだ)に積み込みます。 |
筏は橋まで流れてきました。 |
宵闇せまる 頃になると、川沿いと橋の上に約200個の盆提灯が 吊るされ、火が灯されます。 |
橋を潜って流れて続けます。 |
そして、 上流に停留してあった筏(いかだ)の上の焚き物に火がつけられると、 筏はゆっくり川面を流れ始めます。 |
筏の流れを見守る見物客や関係者し |
四人の 若者たちが川に入ってあやつりながら、筏の流れる 早さや方向を調整します。 |
顔を照らされながら火流しを見守る見物客 |
関係者や 見物客が見守る中、途中、橋の上や川岸から稲ワラや 孟宗竹が投げ込まれます。 |
暮れゆく犬飼集落と火流し |
すると 炎は一層高く燃え上がり、孟宗竹がボン、ボンとはじけ音が 集落一帯に響き渡ります。 |
火流しはゆっくりと流れていきます。 |
そんな素朴な 火流しの行われる夜は、県外に出た若者たちが何人もお盆で帰省して、それに 見物客も加わって、いつもは静かな集落が賑わいます。 |
かくして火流しの日の宵も深まっていきます。 |
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