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旅行記 ・犬飼火流し − 鹿児島県霧島市 2015.08.15
犬飼火流し
『犬飼火流し』の横断幕
鹿児島のお盆は、
8月13日〜15日の3日間。最終日の15日は送り盆です。この日は、鹿児島県霧島市牧園町
下中津川の犬飼地区では、毎年『火流し』が行われます。
盆提灯が吊るされはじめました。
由来は、
先祖の霊を送る精霊流しに通じると同時に、田畑の害虫を封じ込める
虫送りの意味もあるそうです。
橋の上に吊るされた盆提灯
犬飼地区は、
霧島山麓の深い山あいを流れる清流・中津川に沿った
戸数60戸ほどの小さな集落です。
約200個の盆提灯
 下流には、
あの明治維新の立役者、坂本龍馬が幕末のころ妻おりょうと新婚旅行で
訪れたという『犬飼の滝』があります。
そして、盆提灯に火が灯されます。
また、近くには、
奈良末期から平安初期の律令官僚、和気清麻呂が道鏡の皇位継承を阻んだ怒りを買って
この地に流されたとされる和気神社があります。
フリこれは筏に焼(く)べる孟宗竹
そんな犬飼で
行われる『火流し』は、江戸時代から300年以上続けられているという伝統行事。
一度も途絶えたことがないそうです。
火の灯された盆提灯
同日は、
集落の大人たちが朝から孟宗竹で約4メートル四方の
筏(いかだ)を組みます。

上流で筏に火かつけられ、下りはじめます。
そして、
子供たちが集落を廻って、もらい集めた七夕飾りなどを稲ワラと
ともに筏(いかだ)に積み込みます。

筏は橋まで流れてきました。
宵闇せまる
頃になると、川沿いと橋の上に約200個の盆提灯が
吊るされ、火が灯されます。

 
橋を潜って流れて続けます。
そして、
上流に停留してあった筏(いかだ)の上の焚き物に火がつけられると、
筏はゆっくり川面を流れ始めます。
 
筏の流れを見守る見物客や関係者し 
四人の
若者たちが川に入ってあやつりながら、筏の流れる
早さや方向を調整します。
顔を照らされながら火流しを見守る見物客
関係者や
見物客が見守る中、途中、橋の上や川岸から稲ワラや
孟宗竹が投げ込まれます。
暮れゆく犬飼集落と火流し
すると
炎は一層高く燃え上がり、孟宗竹がボン、ボンとはじけ音が
集落一帯に響き渡ります。
火流しはゆっくりと流れていきます。
  そんな素朴な
火流しの行われる夜は、県外に出た若者たちが何人もお盆で帰省して、それに
見物客も加わって、いつもは静かな集落が賑わいます。
かくして火流しの日の宵も深まっていきます。
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