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旅行記 サグラダ・ファミリア(聖家族教会) − スペイン(9) 2011.07
サグラダ・ファミリア(聖家族教会)
(世界遺産)
サグラダ・ファミリア(聖家族教会)の全景(東側から見る)
東側に位置する生誕のファサード
ガウディは石とセラミックでできた神の福音ともいえる4本の『誕生の門』から着工し始めましたが、彼が存命中に完成したのは1本のみでした。贖罪教会なので、建設資金は信者からの寄付および教会拝観料のみですが、1990年代以降は訪問者の流れと作品の世評の高まりが財政状況を好転させ、現在も引き続き建設が進められています。完成時には170mにも達する塔を含め、18本の塔が建設される予定です、巨匠ガウディが生前に『バルセリナはこの教会で世界に知られるようになる』と予言したとおり、この壮大なプロジェクトからなる聖家族教会は、バルセロナのシンボルとなっています。
  サグラダ・ファミリア(聖家族教会)
サグラダ・ファミリア(日本語では、聖家族教会と呼ばれる)は、『聖家族贖罪教会』(Templo Expiatori de la Sagrada Familia)という正式名称を持つカトリックのバシリカ(一般の教会堂より上位にあることを認められた教会堂のこと)です。2004年の統計によれば、アルハンブラ宮殿やマドリッドのプラド美術館を抜いてスペインで最も観光客を集めたモニュメントとなっているそうです。スペイン、カタロニアの建築家アントニ・ガウディ(1852〜1926年)が1883年から1926年に死に至るまでの40年間以上を費やし生涯をかけながら未だ未完の作品です。
 隙間なく装飾が施されている生誕のファサード    .
イエス誕生を祝う彫刻たち(日本人彫刻家・外尾悦郎氏の作品が多数含まれています)
教会上部のオブジェ
また、門の両脇には変化するものの象徴としてカメレオンが配置されています。中央門では、受胎告知、キリストの降誕、祝福をする天使、東方の三博士や羊飼い達などが彫られています。左門ではローマ兵による嬰児虐殺、家族のエジプトへの逃避、父ヨセフの大工道具などが彫られ、右門には母マリア、イエスの洗礼、父ヨセフの大工仕事を手伝うイエスなどが彫られています。
  (サグラダ・ファミリア - Wikipediaより) 
  生誕のファサード
サグラダ・ファミリア東側の『生誕のファサード』には、キリストの誕生から初めての説教を行うまでの逸話が彫刻によって表現されています。3つの門によって構成され、左門が父ヨセフ、中央門がイエス、右門が母マリアを象徴しています。中央の門を構成する柱の土台には変わらないものの象徴として亀が彫刻され、中央の柱の土台には林檎をくわえた蛇が彫刻されています。
生まれたばかりのイエスと見守るマリアとヨセフ
キリストによるマリアへの戴冠
聖家族教会の内部・祭壇
自然光を取り込む工夫がされた構造
以降、ガウディは設計を一から練り直し、亡くなるまでライフワークとして、サグラダ・ファミリアの設計・建築に取り組みました。生前にガウディによって描かれた設計図はスペイン内戦(1936〜1939年)で焼失してしまいました。ガウディは、設計段階で模型を重要視し、設計図は役所に届ける必要最小限のもの以外あまり描かなかったといわれ、そのためガウディの設計図はあまり残らず、焼失を免れた数少ない資料を手がかりに、現在、サグラダ・ファミリアの工事が進められています。
サグラダ・ファミリア(聖家族教会)は、民間カトリック団体『サン・ホセ協会』がすべて個人の寄付に依って建設される贖罪教会として計画されたもので、初代建築家ランシスコ・ビリャールが無償で設計を引き受け、1882年に着工しました。ところが、意見の対立から翌年にビリャールは辞任します。その後を引き継いで2代目建築家に任命されたのが、当時は未だ無名だったアントニ・ガウディでした。
森の木々がイメージされる天井
受難のファザードの上方(十字架を担ぐシモンからイエスの磔刑)
ペテロの否認
左下から、最後の晩餐、ペテロとローマ兵たち、ユダの接吻と裏切り、鞭打ちの刑、ペテロの否認、イエスの捕縛、ポンティウス・ピラトゥスと裁判、十字架を担ぐシモン、ゴルゴタの丘への道を行くイエスとイエスの顔を拭った聖布を持つヴェロニカ、イエスの脇腹を突くことになる槍を持つ騎兵ロンギヌス、賭博をするローマ兵、イエスの磔刑、イエスの埋葬と復活の象徴、そして鐘楼を渡す橋の中央に昇天するイエスが配置されています。
  (参考:サグラダ・ファミリア - Wikipedia) 
   受難のファサード
サグラダ・ファミリア西側の『受難のファサード』には、イエスの最後の晩餐から磔刑、昇天までの有名な場面が彫刻されています。ガウディが完成させた東側生誕のファサードとは全く違った直線を多用した現代的なデザインで、ジョセブ・マリア・スキラッティというカタルーニャ出身の彫刻家によるものです。左下の最後の晩餐から右上のイエスの埋葬まで『S』の字を逆になぞるように彫刻が配置されています。
槍を持つ騎兵ロンギヌスと賭博するローマ兵
ペテロとローマ兵たち(左)とユダの接吻と裏切り(右)
受難のファザードの天井オブジェ(写真左)。西側の受難のファザードから上方を仰ぎ見る(写真右)
鞭打ちの刑 
地下1階は資料館になっています。
アントニ・ガウディの肖像
 『まず、ひもの両端を持って吊るし、垂れ下ったひもの中心に錘(おもり)りを下げます。できた曲線をさかさまにしてアーチの形態を求めます。このアーチが幾層にも重なり、柱と力の方向性や構造があきらかにされる』−それが『フニクラ』だそうです(3)。 ガウディは、力学的に安定した構造を建築に持たせるため、10年間にわたってこの『フニクラ』を自らの作品に採り入れた最初の建築家でした。
 フニクラ(Funikura)
一番下の写真でたくさんの錘(おもり)が吊るされていますが、だと思いますか。実は、逆さにするとサグラダ・ファミリアの形になるそうです。サグラダ・ファミリアの塔の形は、自然の曲線、すなわち放物線をかたどっています。ガウディは、設計では複雑な計算を行わず、錘と紐を利用して優れた応力構造を持つ建造物の模型『フニクラ』(Funikura)を作成したといいます。
完成予想図など資料が展示されています。
フニクラ(Funikura)を使った模型。逆さにするとサグラダ・ファミリアの形になるそうです。
【参考サイトと図書】
(1) ファミリア - Wikipedi
(2) アントニ・ガウディ - Wikipedia
(3)
ガウディのフニクラ HOME at.INAXギャラリー
(4) ガイドブック『バルセロナ』(欧州連合、欧州地域開発基金) 
 
http://washimo-web.jp/Trip/Sevilla02/osusume.GIF    バルセロナの風景
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