コラム | ・正岡子規とホトトギス |
− 正岡子規とホトトギス −
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薩摩地方の田舎に住んでいると、この時季、夜中から明け方にかけてホトトギスの鳴き声に起こされます。ホトトギスはカッコウ目・カッコウ科に分類される鳥類の一種で、杜鵑、杜宇、蜀魂、不如帰、時鳥、子規、田鵑などと、漢字表記の多い鳥です。 甲高い声で鋭く鳴き続け、口の中が赤いので、ホトトギスは『鳴いて血を吐く』といわれます。ホトトギスはなぜ甲高い声で鋭く鳴くようになったのでしょうか。中国に故事や伝説があります。 長江流域に蜀という傾いた国があり、そこに杜宇(とう)という男が現れ、農耕を指導して蜀を再興し帝王となり望帝(ぼうてい)と呼ばれました。その後、望帝は長江の氾濫を治めるのを得意とする男に帝位を譲り、山中に隠棲しました。 望帝杜宇は死ぬと、その霊魂はホトトギスに化身し、農耕を始める季節が来るとそれを民に告げるために、鋭く鳴くようになりました。また、後に蜀が秦によって滅ぼされてしまったことを知った杜宇の化身のホトトギスは嘆き悲しみます。 『不如帰去』(帰り去くに如かず、帰りたい)と嘆きながら、血を吐くまで鳴き続けたと言われます。ホトトギスの口の中が赤いのはそのためだと言われるようになりました。(以上、ホトトギス - Wikipedia より) さて、満34歳の若さで亡くなった正岡子規(まさおか しき)は、死を迎えるまでの約7年間を結核を患って過ごしましたが、喀血した(血を吐いた)自分を『鳴いて血を吐くホトトギス』に重ね合わせ、ホトトギスの漢字表記の一つである『子規』を俳号としました。また創刊した俳句雑誌名『ホトトギス』も俳号にちなんだものです。
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2018.06.13 | ||||
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