レポート | ・合理的配慮 |
− 合理的配慮 − |
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ある研修会で「合理的配慮」(reasonable accommodation)について知りました。「合理的配慮」とは、簡単にいうと、障害者が社会の中で出合う、困りごとや障壁を取り除くための調整や変更のことで、2006年に国連で採択され、日本は2014年に批准した障害者権利条約(障害者の権利に関する条約)に、つぎのように述べられています。
この考えは、障害者権利条約の実効性を持たせるための国内法でもある「障害者差別解消法」(正式名称:障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、2016年より施行)に取り入れられました。 この障害者差別解消法によって、これまでは、「合理的配慮」の法的義務は、国や自治体のみに対するもので、民間事業者に対しては努力義務でしたが、「合理的配慮」の提供を民間事業者に義務付ける「改正障害者差別解消法」が、2021年5月に可決、成立しました。 今後は、民間事業者においても「合理的配慮」を法的義務として提供することが求められます。ここでいう「事業者」とは、会社やお店はもちろんのこと、同じサービスなどをくり返し継続する意思をもって行う人たちをいい、ボランティア活動をするグループなども「事業者」に入ります。この改正法は公布日(2021年6月4日)から起算して3年以内に施行されます。 障害のある人に対して、正当な理由なく、障害を理由として、サービスの提供を拒否することや、サービスの提供にあたって場所や時間帯などを制限すること、障害のない人にはつけない条件をつけることなどが禁止されます。 例えば、つぎのような差別的取扱いが禁止されます。障害があることを理由に受付の対応を拒否する。本人を無視して介助者や支援者、付き添いの人だけに話しかける。学校の受験や入学を拒否する。 不動産屋が障害者向け物件はないと言って対応しない。保護者や介助者が一緒にいないとお店に入れない。障害を理由に、資料やパンフレットなどの提供、説明会やシンポジウムなどへの出席を拒否する。 但し、正当な理由があると判断した場合は、障害のある人にその理由を説明し、理解を得るよう努めることが大切です。例えば、従業員が少ないお店で混雑時に「車いすを押して店内を案内してほしい」と伝えられた場合に、話し合ったうえで、負担が重すぎない範囲で別の方法をさがすなどが考えられます。 「合理的配慮」の提供の事例としてつぎのような対応があげられます。 (1)車いす利用者のために段差に携帯スロープを渡す。(2)高い所に陳列された商品を取って渡すなどの物理的環境への配慮を行う。(3)筆談、読み上げ、手話などによるコミュニケーション、分かりやすい表現を使って説明をするなどの意思疎通の配慮を行う。(4)障害の特性に応じた休憩時間の調整などのルール・慣行の柔軟な変更を行うなど。 【参考サイト】 (1)「合理的配慮」を知っていますか 」(内閣府リーフレット) (2)合理的配慮等具体例データ集(内閣府ホームページ) |
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2023.03.08 | ||||
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