レポート  ・親子20分間読書発祥の地   
− 親子20分間読書発祥の地 −
インターネットの普及などで活字離れがいわれている昨今ですが、全国のあちこちで『親子20分間読書』の運動が続けられています。この運動を提唱したのは『マヤの一生』『片耳の大鹿』『孤島の野犬』など、人間と動物のロマンを描き続けた児童文学作家の椋鳩十(むくはとじゅう、1905〜1987年、長野県出身、本名:久保田彦穂)さんでした。
 
鹿児島県立図書館長を務めていた椋鳩十さんは、『教科書以外の本を子どもが20分間くらい読むのを母が、かたわらにすわって、静かに聞く』運動を提唱し、昭和35年(1960年)5月の『子どもの日』を期して『母と子の20分間読書』が始まりました。この運動は全国に波及し、その後『親子20分間読書』運動へと発展して行きました。
 

 
実は、この親子読書発祥の地となった小学校が、著者が住む鹿児島県さつま町にあるのです。昭和34年1月、当時の宮之城町立流水小学校(りゅうすいしょうがっこう、現在はさつま町立)の校長をしていた堀内徹さんは、『読書で子どもたちの心を開き、親子の会話を取り戻したい』と願い、椋鳩十さんとの話し合いを発端として、流水小学校で『母と子の20分間読書』活動の実践取り組みを始めました。
 
流水小学校には、平成17年(2005年)に除幕された『親子20分間読書発祥の地』の記念碑が建てられています。また、平成6年(1994年)5月には、親子読書会『いもむしの会』が発足しました。
 
会の名前は、幼虫のいもむしが葉をムシャムシャと食べるように、みんなで本のページをムシャムシャと読み進めて、すてきな夢がふくらんでいくようにすることを願って命名されたものです。
 
流水小学校の児童数は平成26年9月1日現在で34名。ほぼ月に1回(年に10回)、親子による本の読み聞かせ会を学校の図書館や体育館、地域の公民館などで実施する取り組みが続けられています。去る(2015年)2月18日『いもむしの会』発足20周年の記念式典が同小学校で開かれ、椋鳩十さんの鶴の話しの読み聞かせがあったそうです。
 

 
この他にも、同町では、子どもたちの読書活動の取り組みがなされています。町立白男川小学校区内の浅井野集落では、親子会のもとで、小中学生が集落の無線放送を使って朝読みをする取り組みが46年間続けられています。
 
同集落の栗山善太郎さん(74歳)は、朝読み提唱者の橋口政光さん(故人)の後を受け、39年にわたって自宅を朝読みの場として提供しています。同集落の小中学生は現在11名。栗山さんの自宅には朝読み専用の放送設備が置かれていて、月曜日から金曜日の平日の朝6時50分から7時30分の間に小中学生が交代でやってきて、約5分間朝読みを放送します。
 
また、同町神子の上下大迫集落では、夏休みの期間中限定ですが、小中学生が集落無線のマイクに向かって、毎日1人ずつ本を音読する取り組みが30年以上にわたって続けられています。
 
『親子20分間読書発祥の地』記念碑
 
 『親子20分間読書発祥の地』記念碑
さつま町立流水小学校
 
【参考にしたサイト】
・親子読書発祥の地 流水小学校の親子読書活動の歴史 
  → http://www2.satsuma-net.jp/ryuusuisho/newpage12.html
・親子読書会「いもむしの会」定例活動
  → http://www2.satsuma-net.jp/ryuusuisho/newpage19.html
 

2015.03.04
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