コラム  ・自作の俳句から 〜 新年・春   
自作の俳句から 〜 新年・春
 
   初夢は湯葉を頂く二年坂
 
   風呂焚きのひょっとことなり女正月
 
   銀鼠の淡路瓦や菜の花忌
 
   つくし和え地球の味を炊きにけり
 
   錠前の重たき蔵や紙雛
 
   寒村に漆黒の雨桃の花
 
   春月に触れんばかりの鬼瓦
                  
   朧夜の抜荷の宴調所の声
 
   首塚の梵字を伝ふ花の雨
 
   古物屋のギヤマンに咲く風信子
 
二年坂は、京都・清水寺の参道として古くから賑わいをみせてきた坂です。別名を二寧坂とも。その京都らしい風情のある街並みは、多くの観光客が訪れる定番のスポットとなっています。数多くの土産物店や飲食店が並びます。
 
女正月(めしょうがつ)は1月15日の小正月の頃をいいます。昔の女性たちは、暮れは大掃除からおせち料理作り、明ければ年賀客の接待と、年末年始は大忙しでした。それらが一段落して、ようやくひと息つけるのが小正月頃でした。旦那がひょっとこ(火男)となって風呂を沸かしてくれます。
 
「菜の花忌」とは2月12日の司馬遼太郎の忌日のこと。江戸後期の海運業者、淡路の高田屋嘉兵衛をモデルにした、司馬遼太郎の長編小説「菜の花の沖」に由来します。淡路島の特産・淡路瓦はいぶし銀とよばれる美しい灰色(鼠色)が特徴的です。
 
調所は藩の財政改革を任された薩摩藩家老・調所広郷のこと。砂糖の専売政策や密貿易(抜荷)などで利益をあげ、藩の財政改革に成功しましたが幕府より密貿易の嫌疑を受けて急死。自殺といわれます。鹿児島市の天保山に銅像があります。
 
風信子(ふうしんし)は、ユリ科の球根植物であるヒヤシンスのこと。水耕栽培に適した花です。地中海沿岸が原産。ヨーロッパで品種改良が盛んに行われ、日本には江戸末期に渡来しました。
 

2022.03.02
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