雑感  ・私たちと環境   
− 私たちと環境 −

「朱に交われば赤くなる。」「環境は人格の形成に重要な影響を及ぼすから大事だ。」 ずーっとそのように思ってきました。


しかし、ジェームス・アレンは、その著書『「原因」と「結果」の法則』で、環境は人間を創りません、環境は、その時点における私たちの全人格のあらわれであり、私たちの内側の状態の如実(にょじつ)な投影である、あなたの環境は、あなた自身の心を映す万華鏡である、と言っています。


人々の多くは、環境(結果)を改善することには意欲的だけども、自分自身(原因) を改善することには、ひどく消極的だ、だからかれらはいつまでたっても環境を改善できないでいると言っています。


会社に不満を持っている人がいます。報酬は少ないし、仕事の内容にも不満がある。ならば、どのような仕事を望み、どのぐらいの報酬が欲しいのか、まず自分の思い (目標)を明確にし、その目標を達成するために、自分自身を改善しなさいと言っています。ただし、目標達成には、大きな自己犠牲が必要です。


通信教育を受けたり、セミナーに通ったりして職業能力を高める。そして、自己研鑽を積んで、目標とする会社に転職できるだけの実力を養う。それをクリアーできた人には、おのずと新しい環境が開けます。しかし、それも大変だしな〜、今の会社だと家から通勤できるし、単身赴任はいやだしな〜。仕方ないか。まあ、適当にやるさ。 思いがそれだけの人には、それだけの環境のみしか叶(かな)えられないということです。


ジェームス・アレンがいう『「原因」と「結果」の法則』とは、そういうことです。 その法則に従って人生を見れば、「人生なんて、とても単純なものなのね」という ことになります。しかし、私たちは、結果(環境)にだけにしか目が向かず、しかも不運だ、不運だと、環境のせいにして御託(ごたく)を並べることで、人生を複雑なものにしています。


「私たちの運命を決定する神は、私たち自身の内側にいます。私たちの思いこそがそれなのです。」というジェームス・アレンの言葉は、去る4月11日が生誕101年の日だった、早世の童謡詩人・金子みすゞの『蜂と神さま』という童謡詩を思い出させます。
・詩を見る
  → http://www.washimo.jp/Trip/misuzu/works/misuzu-works.htm


蜂は花に生かされ、花は庭の環境の中で育ちます。庭は土塀(どべい)に囲まれ、土塀は町の中で、町は日本の中で、日本は世界の中で育まれ、世界の運命は神様の手の中にあります。そうして、神様は小さな蜂(私たち)自身の内側にいるのです。 金子みすゞのこの童謡詩からもジェームス・アレンと同じ考えが読み取れます。


【備考】 『「原因」と「結果」の法則』(ジェームズ・アレン著/坂本貢一訳)については、 → http://www.washimo.jp/BookGuide/BookGuide4.htm


2004.04.14
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