コラム  ・ 邂逅ということ 〜 新入生の皆さんへ   
− 邂逅ということ 〜 新入生の皆さんへ −
皆さん、入学おめでとうございます。
3月が、別れ、旅立ちの月であれば、4月は、出会い、
出発の月ですね。
いまここに、新入生の皆さんが出会って新しくクラスが
出来、出発しました。
 
『人生は邂逅である』といったのは、
文芸評論家の亀井勝一郎(1907〜1966年)という人です。
”邂逅”(かいこう)とは、『偶然の出会い』、すなわち
『めぐりあい』のことです。
 
もし、あなたの高校の進路指導の先生が他の先生だったら、
あるいは、あの日、ふと廊下で会った友達がオープンキャンパスに
行ってみようかと誘わなかったら、あなたは、いまここに
いないかも知れませんね。
 
あなたがこれまでに遭遇した偶然の出会いが
チェーンのように繋がり繋がって、あなたはいまここにいるのだと
思います。そもそも、あなたが存在すること自体、
ご両親の偶然の出会いの結果に他なりません。
 
偶然の出会いで集まった仲間がこれからそれぞれ影響しあって、
あなたたちは成長していくことになります。
そして、あなたたちは、”機械技術”という技術と出合いました。
そのことによって、これから携わるであろう仕事の分野や
就職先がある範囲規定されることになります。
 
あなたの隣を見て下さい。あなたの隣にすわっている人をこれまで
知っていましたか? 入学して初めて知りましたね。
これからも、どういう人との出会い、どういう物との出合いが
あるかわかりません。
 
だからこそ、出会い、出合いを大切にして、それを生かして
いこうということを、亀井勝一郎の言葉は言っているのだと
思います。決して、運命論的、宿命論的な人生観を言っている
のではないと思います。
 
昭和53年(1978年)にヒットした山口百恵さんの
『いい日旅立ち』(谷村真司作詞・作曲)という名曲を知って
いますか? ”♪あぁ〜、日本のどこかに私を待っている人が
居る〜”というフレーズがあります。
 
また、3年前の平成20年(2008年)にヒットした秋元順子さんの
『愛のままで』(作詞・作曲 花岡優平)という歌は
聴いたことがありますよね。
 
”♪あぁこの世に生まれ めぐり会う奇跡〜 
 全ての偶然があなたへと続く〜 ”というフレーズがあります。
 
あなたたちはいずれ結婚するはずです。ならば、
あなたと出会ってあなたの連れ合いになる人が、今どこかにいて
今の時間を過ごしているはずですね。どこで、何をしているの
でしょうか?
  
そう思うと、何だか、ロマンチックですね。
 
その人が、今を素敵に、というか、一所懸命に充実した時間を
過ごしていたら良いですね。
そんなふうに思いますよね。ならば、自分も今を素敵に過ごして
いこうということになりますね。
 
最近読んだ本を2冊紹介します。
一つは、喜多川泰著の『君に会えたから・・・』という
単行本です。
ある夏の日、17歳の男子高校生のもとに
ハルカという美しい女の子が訪ねてくる場面から
はじまる小説です。
 
もう一冊は、有川浩著の『阪急電車』という文庫本です。
中谷美紀・戸田恵梨香の初共演によって映画化され、
今月(2011年4月)29日に、全国、ロードショーの原作本です。
   

2011.04.20  
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