レポート  ・蛙化現象   
− 蛙化現象 −

Z世代が選ぶ2023年上半期の流行語ランキングで、ランキングトップになったのは、「蛙化現象」(かえるかげんしょう)という言葉だったということを先週号で述べ、まず「Z世代」についてレポートしました。今回は「蛙化現象」についてです。

 §1 「蛙化現象」とは

蛙化現象とは、ずっと好きで憧れていた相手が振り向いてくれた途端、相手のことを気持ち悪いと感じてしまう現象のことをいいます。単に相手に興味がなくなるというだけでなく、生理的な嫌悪感を抱いてしまうことが多いのが特徴だといわれます。

「片思い」から「両思い」になると突然相手のことが嫌いになるという一見矛盾した心理で、主に女性に見られると考えられているそうです。「蛙化」は、グリム童話のカエルの王様」に由来します。

 §2 グリム童話「カエルの王様」

グリム童話「カエルの王様」のあらすじは以下のようです。ある国の王女が、森の泉に金の鞠(まり)を落としてしまいます。そこへカエルが来て、「自分を王女様のお友達にしてくれて、寝食を共にしてくれたら、拾ってきてあげよう」と申し出ます。

王女は条件をのみますが、鞠を取り戻せた途端、カエルを置き去りにして、城へ走り帰ってしまいました。翌日、カエルが城に現れて王女に約束を守るように迫ります。約束を守るよう王から命じられた王女は、嫌々ながらも、カエルと一緒に夕食をとりました。

食事の後、王女は嫌悪から泣きだしそうな思いでカエルと一緒に寝室へ行きますが、カエルがベッドへ入ろうとすると、カエルを壁に叩きつけようとします。するとカエルは魔法が解け、立派な王子の姿に戻り、二人は恋に落ち、やがて結婚しました。

の物語では、気持ち悪いと思われていたカエルが最後には立派な王子になります。「蛙化現象」の場合は逆に、いわば王子だった相手が気持ち悪いカエルの存在になる
わけですが、同じ対象への気持ちが正反対に変化するということから「蛙化現象」という名前がついたものと考えられています。

 §3 「蛙化現象」の原因

「Z世代」とは、2023年現在で概ね28歳以下の世代を指しますが、SNSやWEBサイトを中心に、若い人たちの間でこの言葉が話題になっているということは、「蛙化現象に悩む若い人たちが結構いるということでしょう。「蛙化現象」の原因については、以下のようなことがいわれているようです。

(1)両想いまでの過程が面白い(いわゆる恋に恋している)から。(2)両思いになった途端、次の目標がなくなるから。(3)両想いになった途端、自分に自信がなくなり、「自分は愛されることに値するのだろか」などと考えてしまう、自己肯定感の低さから。

(4)片思いのときは、相手の良いところしか見えていなかったが、両想いになると、相手のいろいろな側面が見えるようになる。理想と現実のギャップに付いたから。

(5)両思いになると、今度は、恋がずっと続くとは限らない、いつかは別れがくるかもしれないと考え、恋愛に臆病になってしまい、自分が傷つかないようにしたいという思いがでてくるから。

(6)片思いのときは、相手に対する期待だけを考えていたが、両想いになると、自分は相手に何をしてあげられるだろうかと思うようになる。つまり、受け身の恋愛から抜けきらないから。


2023.06.14
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