雑感 | ・一人ひとりのISO |
− 一人ひとりのISO − |
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ISO9000とは? ISOは、「アイ・エス・オー」または「イソ」と呼びます。ISOとは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)という民間主導型の国際機関のことです。本部はスイスのジュネーブにあって、世界共通の規格・基準を制定しています。 私たちは、JIS規格(日本工業規格)を知っていますね。これは製品規格であって、製品の寸法や材質などの基準を決めている規格です。私たちは、このJIS規格の恩恵をずいぶん受けています。蛍光燈の電球が切れました。ホームセンターへ行って新しいのを購入するのに、メーカーを気にする必要はありませんね。どこのメーカーの電球もJIS規格に基づいて同じ寸法で作られているから、どのメーカのものを買っても、蛍光燈にちゃんと取り付くのです。 国際標準化機構は、「ISO9000」という規格を制定しています。この規格は上述のJISのような製品規格ではありません。「物を作ったり、サービスをするやり方や仕組みの基準」のための規格で、「品質マネジメントシステムの国際規格」と呼ばれています。 ISO9000の進め方 (1)「私どもの会社は、お客様に品質を保証するために、このような目標を設定し、それを達成するために、このような作業基準を決めました。」とまず宣言します。作業基準は、必ずマニュアルや手順書として文書化して置かなければなりません。 (2)社員は、それぞれの部署の持ち場・立場で、それぞれに決めた作業基準(マニュアルや手順書)に基づいて仕事をします。 (3)決めた作業基準(マニュアルや手順書)に基づいて仕事が進められたかどうか結果を記録に残します。 (4)経営者は、その結果を評価し、必要があれば見直しをして、目標や作業基準を改善(バージョンアップ)して行きます。 すなわち、Plan(方針・計画)、Do(実施・運用)、Check(点検・評価)、Action(見直し)を繰り返します。このことを、『PDCAの輪』を回すと言います。『PDCAの輪』を回すことによって、お客様に「品質」を保証するともに、会社の体質や経営のあり方を改善して行くわけです。 目標設定、作業基準の作成、実行、点検・評価、経営層による見直しについて、「第三者機関の認証」を得る必要がありますが、この規格の特徴は、「できる目標」を設定すれば良いし、「実行できる作業基準」を作れば良いということです。 個人タクシーから病院まで 今、製造業や建設業などだけでなく、商業、いろいろなサービス業の企業や事業所でISO9000の認証が取得されています。個人タクシーや学校でも認証取得しているところがあり、一部都道府県の機関でも認証取得に取り組んでいるところがあるようです。 当HPの管理者の連れ合いは現役の看護婦で、彼女が勤める病院でも最近、ISO9000の認証を取得しました。いっとき、大変だ大変だと言っていたものです。ですから、いかにも知ったかぶりでこの記事を書いている私より、連れ合いの方がISO9000の実践者なわけです。 ISO9000の認証取得には、それなりの準備と担当する人材と体制、コストが必要ですが、取得することによって企業や事業所の信頼が上がるとともに経営の改善に役立つといわれます。また、客先との関係によっては、認証を取得しておかないと製品を納められなかったり、取引ができない場合もあります。特に輸出の場合、認証取得が取引の前提となる場合があるようです。 サービスの提供が発生するいろいろな企業や団体や事業所または個人が、サービスの品質の保証と質の向上を果たし、それによってお客さんと良好な関係を築きながら、同時に経営改善・体質改善を図るための手段としてISO9000の認証取得が今後さらに広まって行くものと思われます。 一人ひとりのISO 私たちは家族の一員として日々暮らしています。父親には父親の、母親には母親の、夫に夫の、妻には妻の役割があります。子供たちだって、将来のための勉強、体力作り、人格形成という役割があります。その役割を果たしていくことは、家庭における、あるいは地域社会における一つのサービスに他なりませんね。 まさか、ISO9000の一人ひとりの認証取得というわけには行きませんが、ISO9000の理念は、私たちの日々の暮らしにも役立つのではないでしょうか。蛍光燈の電球の寸法はこれでなければならない、ある材料の強度はこれ以上でなければならないという製品規格ではないですから、自分でできることを、一つでも良いから取りあげて、自分で『PDCAの輪』を回してみるのです。 ISO9000のほかに、ISO14000があります。これは、組織活動が環境に及ぼす影響を最小限にくい止めることを目的に定められた環境に関する国際的な標準規格で、「環境マネジメントシステムの国際規格」と呼ばれています。家庭ごみの分別や家庭における省エネ実践、あるいはタバコや空き缶のボイ捨てをやらないなど、ISO14000の理念も日々の暮らしに役立ちますね。 などと、偉そうなことを書いている当HPの管理者もISO9000やISO14000の理念を実行できているわけではありません。それらの理念を参考にして行きたいものです。 |
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2003.10.29 | ||||
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