コラム  ・糸瓜(ヘチマ)   
− 糸瓜(ヘチマ) −
ヘチマといえば、皆さんは何を想像されますか。本HPの管理者が若い頃、我が家の菜園には毎年ヘチマが植えてあって、夏期の若い果実は油で炒めたり、味噌汁の具にして食べていました。ヘチマ水(ヘチマコロン)を作り、秋口の成熟した果実は果肉を乾燥させてタワシにしていて、風呂場にはいつもそのタワシが置いてありました。
 
    つつましく生きよといふて糸瓜咲く  ワシモ
    たわわなる糸瓜の花の軽ろきかな
 
ヘチマのことを調べてみたら名前の由来について面白いことがわかりました。果実が繊維質であるため、本来は糸瓜(いとうり)と呼ばれていましたが、その『い』が省略させて、『とうり』と呼ばれるようになり、『と』が、『いろは歌』で『へ』と『ち』の間にあることから、『へち間』の意で『へちま』と呼ばれるようになったそうです。よって、糸瓜と書いてヘチマと読みます。
 
最近は、ヘチマを栽培してタワシを作ったり、ヘチマ水を作ったりすることもめっきり少なくなったのではないでしょうか。本HPの管理者ですら、最近ヘチマを食べることはなくなりました。
 
ところが、沖縄ではヘチマは、ゴーヤー(ニガウリ)と並ぶ夏のメジャーな野菜で、『ナーベーラーンブシー』というヘチマ料理があります。沖縄では、ヘチマのことを『ナーベーラー』といいます。これは、『なべあらい(鍋洗い)』に由来するそうですから面白いですね。
 
『ンブシー料理』は、材料を混ぜこぜにすることではチャンプルーと同じで、豚だしと味噌を豊富に利用した煮物、炒め物料理のことですから、ナーベーラーンブシーは、ヘチマに薄く切った豚肉とちぎった豆腐を加えて味噌炒めした料理です。
 
 ・へちま料理−エミおばさんの沖縄料理レシピ−
 
俳句で、糸瓜(ヘチマ)や糸瓜棚は秋の季語で、糸瓜の花は夏の季語になっています。糸瓜を詠んだ句が正岡子規の辞世の句となったことから、子規の命日である9月19日を糸瓜忌(へちまき)といい、秋の季語になっています。台東区根岸にある子規終焉の家は子規庵として保存されていて、当時のままに糸瓜も生っているそうです。
 
フリー百科事典『ウィキペディア』でヘチマとヘチマの写真を見ることができます。
 ・ヘチマ
 ・ヘチマの花
 

2007.08.08
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