レポート  ・ハロウィンと俳句   
− ハロウィンと俳句 −
天10月31日はハロウィン(あるいは、ハロウィーン)ですね。そもそも、その祭りの意味合いがどうもいま一つ理解しにくいということから、日本にはなかなか定着しないだろうとみられていましたが、数年前頃から国民的イベントと呼べるほど急速な盛り上がりを見せているようです。
  
若者たちがゾンビや魔女、アニメのキャラクターなど思い思いのコスチュームに身を包み、東京・渋谷や六本木、あるいは地方の都市の繁華街などで大騒ぎするのが恒例になりつつあります。
 
もともとは、古代ケルト人(中央アジアの草原から馬と車輪付きの乗り物を持ってヨーロッパに渡来したインド・ヨーロッパ語族ケルト語派の民族)が秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事でしたが、現代では特にアメリカ合衆国で民間行事として定着し、本来の宗教的な祭の意味合いはほとんどなくなってい
ます。
 
さて、俳句をする人にとって、この『ハロウィン』が季語として認知されているのかどうかということが気になります。クリスマスやバレンタインなどは日本の生活にすっかり溶け込み、季語として歳時記に記載されていますが、たとえば、合本俳句歳時記(角川書店編)をみても『ハロウィン』は季語として記載されていません。
 
しかし、だからと言って、『ハロウィン』を季語として俳句が詠まれてないわけではありません。もう8年前のことになりますが、2011年10月15日放送の『NHK俳句』では、兼題を『ハロウィーンまたは自由』として作品が募集されました。選者は有馬朗人さんで、つぎの作品が特選に選ばれています。
 
  行儀よく並ぶ怪物ハロウィーン    佐々木憲子
  まず猫を驚かせたるハロウィーン   板垣道代
  ハロウィンのお化けいつから一人増え 佐藤利明
 
また、インターネットでいくつかの作品を鑑賞することができます。例えば、
 
  ハローウィンの仮面吊して英語塾 梅原富子
  担任に似たる南瓜やハロウィーン 山火律子
  ハロウィンや子供は疲れ知らざりし あさなが捷
  ハロウィンの果てて野良猫戻る街 稲畑廣太郎
  横須賀のどぶ板通りハローウイン 篠田純子
 
『ハロウィン』を季語として認める句会もあれば、そうでない句会もあるというのが現状だということでしょう。そもそも季語は歴史とともに増えていくものですから、今後多くの人が晩秋の季節感を感じるような行事として『ハロウィン』が定着すれば、歳時記にも載るようになることでしょう。
 
  ハロウィン妻はギョロ目の顔パック  ワシモ
 
わが家の玄関のハロウィン飾り in 2019
ハロウィンと人形たち
伊藤園のほうじ茶の空ペットボトルも登場
顔パック
【参考にしたサイト】
(1)ミーハー小父さんの落書き帳
(2)ハロウィン - 俳誌のSalon

2019.09.18
あなたは累計
人目の訪問者です。
 − Copyright(C) WaShimo AllRightsReserved.−