レポート   ・ピーチ、機内持ち込み手荷物失敗談   
− ピーチ、機内持ち込み手荷物失敗談 −
2年前の2012年4月、LCC(格安航空会社)の一つであるピーチ(ピーチ・アビエーションPeach Aviation)が就航を開始して以来、格安ということでよく利用しています。
  
例えば、鹿児島空港・大阪空港(伊丹)間を普通運賃で往復すると、55,200円(2014年6月23日現在、ANAの場合)かかるところを、1万円前後から1万数千円で往復できるわけですからかなり格安です(大阪は関西空港発着)。2012年7月には、鹿児島空港・札幌(千歳)空港間を 30,700円で往復しました。
 
但し、LCCを利用する際には、機内持ち込み手荷物に制限があることに留意しなければなりません。
   
ピーチの場合、身の回り品(ハンドバッグ、カメラ、傘など)1個のほか、一人につき、質量10kg以下、3辺の合計が 115cm以内(各辺が55cm×40cm×25cm以内)のものが一個まで無料で機内持ち込みできます。
 
身の回り品を1個までと言われても、セカンドバッグの他に一眼レフカメラ、折りたたみ傘は最低限の出需品ですから、それらをリュック(ナップサック)に詰め込んで背負い、手でキャリーバッグを引いて搭乗しています。それで、今まで一度も文句を言われたことはありません。
 
 
キャリーバッグは寸法と重さに規定があるので、許容寸法ぎりぎりのものに質量10kg以下となるように意識して荷を詰め込んでいますから問題はありません。問題は、身の回り品として持ち込んでいるリュックでした。
 
汗をかくというのでタオルを入れ、のどが渇くというのでペットボトルの飲料品を買って入れ、挙句にはお土産を買って入れるということになります。すると、リュックはだんだんかさばり、重くなっていきます。手提げバッグなどに身の回り品を入れて搭乗する人も状況は似たようなものです。それでも、これまで一度だって指摘されたことはありませんでした。
 
ところが、今月(2014年6月)上旬、帰路の関西空港は保安検査場が長蛇の列です。何事かと思って見ると、ピーチの係員が搭乗者一人一人の機内持ち込み手荷物の質量を量っているではありませんか。最大2個までの機内持ち込みの荷物を体重計に同時に乗せ、総質量が20kgを超える場合は、超過する分を受託手荷物として預け直しなさいというのです。
 
さて、著者のキャリーバッグとリュックは、量られてみると合計で21kgちょっとでした。わずかに1kgちょっとですがオーバーしています。受託手荷物受付カウンターに行ってキャリーバッグの方を預けました。著者以外にも、20kgを超過している人がたくさんいました。
   
   
受託手荷物は、インターネットで搭乗券を購入する際に予めネット予約しておけば、一個につき 1,030円ですみますが、コンタクトセンターあるいは空港カウンターで手続きをすると、別途 1,080円の手数料が取られます。つまり、1kgちょっとオーバーしたために、2,110円を払う羽目になったのでした。
 
悔しかったのは、保安検査を受ける前に、早々とお土産に生八ツ橋4箱を買ってしまったことでした。保安検査場を通ったあと、搭乗待合室のお土産店で買えば問題はなかったのです。帰宅してから量ってみると、生八ツ橋4箱で3kg近くありました。
 
それでも策がなかったわけではありません。キャリーバッグには夏物ジャケットが入っていましたから、それを取り出して着ます。そして、一眼レフカメラの充電池3個、単行本2冊、整髪ジェル1個などを取り出してジャケットのポケットに詰め込みます。そうすれば、どうにかクリアーできたのかも知れませんが、あえてそこまではしませんでした。
 
ということは、ピーチの場合実質的には、機内持ち込み手荷物は2個までで総質量が20kgまでということになります。しかし、ピーチの公式ホームページにはそのように解釈できる規定はありません。コンタクトセンターに電話してたずねようにも、所定の項目以外の問い合わせは受付ないようですから、確認のしようがありませんが、総質量が20kgを超えるということは、”身の回り品+質量10kgの手荷物が2個”という解釈なのでしょう。
 
 
 
LCCはまず座席が狭いです。上述のように機内持ち込み手荷物などに気を使わないとなりません。例えばピーチの場合には関西空港は第2ターミナル発着ですから不便です。そして最近は、パイロット不足による欠航や発着遅れが問題になっています。
 
それでも、ピーチの搭乗待合室は大勢の利用客でごった返しています。飛行機が離陸後水平飛行に入って座席をリクライニングできるようになっても、実際にリクライニングする人はほとんどいません。鹿児島空港・関西空港間の飛行時間は約1時間10分ですから、それぐらいの時間はリクライニングしないで我慢しようということなのでしょう。
 
上述の関西空港での機内持ち込み手荷物の抜き打ち検査でも、誰一人文句を言わずに係員の指示に従っていました。少々の不便や面倒臭さは我慢して、サービスを提供する側とサービスを受ける側が双方でコスト低減を実現しようという姿勢が見てとれます。
 
もちろん、安ければ良いというわけではありません。欠航や発着遅れは困りますし、安全面がおろそかになってはなりません。安い価格でより回数多く航空便を使いたいと思っている一人として、課題が克服されて、LCCがより発展することを期待したいです。
   
 

2014.06.25
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