レポート  ・国立科学博物館のクラファン   
− 国立科学博物館のクラファン −

国立科学博物館は、動植物の標本などを収集・展示する施設として、1877年に設立された総合博物館で、独立行政法人国立科学博物館が運営しています。東京・上野にある本館には、現在国内最大となる2万5000点の標本が展示され、つくば地区にある収蔵庫には、 500万点以上の未公開の標本が保管されています。
 
標本を管理するには、保管場所の温度や湿度といった環境をある一定程度に保つ必要があります。ウクライナ侵攻などの影響があって光熱費が高騰し、2023年の光熱費は年間 3.8億円が見込まれているそうです。
 
標本の数は毎年約8万点ずつ増えている一方で、収蔵場所は限られいます。つくば地区に新設を進めている標本の保管庫の建設費も、資材高の影響で予定より高くなり財政を圧迫しています。
 
国立科学博物館の収入は、国からの支援金である運営費交付金と、来館者による入館料によりますが、それだけでは追付かず、外から見えにくいコストである事業費や研究費を減らしながらなんとか運営している状況だそうです。
 

 
そこで、国立科学博物館は、この現状を打破するために、1億円を目標に8月7日に、クラウドファンディング(クラファン)を実施しました。
 
『クラウドファンディング』(略して、クラファン)とは『群衆(Crowd)』と『資金調達(Funding)』 という言葉を組み合わせた造語で、インターネット上で不特定多数の人に資金提供を呼びかけて、資金を集める方法です。
 
クラファンには、一般的にリターンと呼ばれる『お返し』が付きます。国立科学博物館のクラファンでは、それぞれ15,000円、5,000円、7,500円、20,000円、50,000円などの支援に対して、かはくオリジナル図鑑、オリジナルトートバッグ、標本アクリルスタンド、トートバッグ(全5種)、標本アクリルスタンド(全10種)などのリターンが付いています。
 

 
11月5日23時までに1億円を集める目標でスタートしたクラファンですが、7日午前8時に始ると次々に支援が集まり、およそ9時間後の午後5時20分に目標額の1億円をはやばやと達成しました。
 
支援する人はその後もあとを絶たず、8月9日の15時現在、支援者数は3万1千人を超え、支援総額は 4億9,500万円余りに達しています。著者も微力ながら支援しました。
 
 ・地球の宝を守れ|国立科学博物館500万点のコレクションを次世代へ
  11月5日(日)午後11:00まで。支援総額、支援者数を見る ・・・
 
国立科学博物館の今回のクラファンのもう一つの目的は、定期的に来場してもらえる「科博ファン」を増やすほか、国立科学博物館の活動に価値を感じる個人や企業の広がりを創出し、「継続的な寄付」の形で国立科学博物館を支援するパートナーを探すきっかけづくりにあるそうです。
 
【参考にしたサイト】
(1)クラウドファンディングを実施中|地球の宝を守
   (国立科学博物館公式サイト)→ https://www.kahaku.go.jp/
(2)『2日で4億円突破の「国立科学博物館」クラファン。
    大成功でもまだ気が抜けない理由』
   (Business Insider Japan、2023.08.09.12:00配信)
 

2023.08.09
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