レポート  ・第22回南九州市かわなべ青の俳句大会   
− 第22回南九州市かわなべ青の俳句大会 −
鹿児島県南九州市川辺出身の俳人・福永耕二をしのぶ『南九州市かわなべ青の俳句大会』は今年で第22回を数え、県内外の小中高校・特別支援学校の児童生徒から13万に近い句の応募があり、最高賞の福永耕二賞をはじめ19の特別賞、特選・入選・佳作、学校賞が選考され、2020年11月28日に表彰式がありました。特別賞に選ばれた19の句を紹介します。
 
■福永耕二賞
 
  一族で今年限りの稲を刈る        霧島市立霧島中学校2年 浦野 友杏
               
■鹿児島県知事賞
 
  ランドセル最後の年の風光る      徳之島町立亀津小学校6年 福井 徠人

  ラムネの瓶映る私は未完成   いちき串木野市立串木野中学校2年 岩田 胡桃

  旋盤の切削音高く年暮るる    鹿児島県立川内商工高等学校3年 柿原  宏
   
■南九州市長賞
 
  青空は水そうになるこいのぼり      姶良市立蒲生小学校5年 長M 舞桜

  風鈴の音聞き比例反比例         鹿児島市立武中学校3年 神宮司康裕

  悴む手逆目気にしてのみを突く  鹿児島県立川内商工高等学校2年 柳田 美麗
 
■南九州市教育委員会賞
 
  夏の日に背のびしている温度計      指宿市立丹波小学校5年 福里 太路

  携帯の電波届かぬ夏の星         鹿児島修学館中学校3年 岩倉 康大

  炎昼に揺れるかの日の特攻機     鹿児島県立川辺高等学校3年 有園 美玖

■南日本新聞社賞
 
  八月のひまわりそろってもくとうし    天城町立岡前小学校2年 竹田 百笑

  割れないなそれがいいのさすいか割り  鹿児島市立郡山中学校2年 恒吉 優花

  盆休み古き写真の母若し      鹿児島県立武岡台高等学校1年 諸木 莉奈

■県教育委員会賞

  夕やけとどろで染まった背番号     奄美市立赤木名小学校6年 永田 望翔

  黙々とデッサン続く夏木立        霧島市立隼人中学校1年 迫田 真凛

  リモート夏兄の無口を加速する    鹿児島純心女子高等学校1年 山崎 恵花

■県俳人協会賞
 
  手まきずしぼくがそだてたきゅうりまく 姶良市立西姶良小学校3年 本村 大耀
  
  真っ白の道着が今はなじむ夏     志布志市立伊ア田中学校1年 南川 大輝

  帰り道火薬の匂いがする浴衣   鹿児島県立武岡台高等学校2年 下水流ひびき

《福永耕二》(1938.1.4〜1980.12.4)
鹿児島県南九州市川辺町生まれ。ラ・サール高校在学中に水原秋桜子の主催する俳誌「馬酔木(あしび)」に投句。鹿児島大学在学中、20歳で初巻頭。1965年に上京、千葉県の私立市川高校に勤務。1971年にわずか32歳の若さで馬酔木編集長を務めるも、1980年に42歳の若さで志半ばにして死去。
          → http://washimo-web.jp/Report/Mag-Fukunaga.htm
  

2021.01.06
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