レポート  ・第20回南九州市かわなべ青の俳句大会    
− 第20回南九州市かわなべ青の俳句大会 −
鹿児島県南九州市川辺出身の俳人・福永耕二をしのぶ『南九州市かわなべ青の俳句大会』は今年で第20回を数え、県内外の小中高校・特別支援学校の児童生徒7万2059人から13万2156句の応募があり、最高賞の福永耕二賞をはじめ19の特別賞、特選・入選・佳作、学校賞が選考され、12月1日、同市川辺の市民交流センターひまわり館で表彰式がありました。特別賞に選ばれた19の句を紹介します。
 
■福永耕二賞
 
  指先に海がひろがる平泳ぎ         指宿市立開聞小5年 入野 美理
               
■鹿児島県知事賞
 
  せみのこえぼくもまけずに九九をよむ  鹿児島市立東谷山小2年 網谷 青流
 
  蝉しぐれ聴きつつ決めた髪を切る      霧島市立霧島中3年 池田  楓
 
  山眠る引き出しにある古銭かな          武岡台高3年 末吉 隼大
   
■南九州市長賞
 
  おにごっこみんなが消えた麦畑      阿久根市立田代小5年 池田 丈児
 
  広島に真夏の喪服鐘の音           鹿児島第一中1年 森田 未徠
 
  決勝点母の日傘が見つめてる         鹿児島工業高1年 坂田 龍雅
 
■南九州市教育委員会賞
 
  カブトムシ山へかえしておわる夏     鹿児島市立犬迫小2年 家入 胡虎
 
  ラケットのラバーの弛み半夏生      鹿児島市立坂元中3年 森屋 誠斗
 
  あたたかや子豚にふくます哺乳瓶        市来農芸高3年 中野 莉穂
 
■南日本新聞社賞
 
  秋の風夏のページをしめくくる     鹿児島市立草牟田小3年 池袋 那音
   
  瑠璃とかげ青まだ残る石の上       志學館学園中等部3年 田口加紗音
 
  筍の確かにありし足の裏            市来農芸高1年 古川  翼
 
■県教育委員会賞
 
  滝つぼの青さに続く遊歩道          垂水市立境小6年 池田梨々亜
 
  寝静まり水からくりの音響く     南さつま市立加世田中3年 小牧  藍
 
  転生を尋ねし盆の迷い猫              甲南高2年 八木 沙悠
 
■県俳人協会賞
 
  いわし雲ゆっくり時が流れてる       枕崎市立枕崎小6年 児玉 大空
 
  矢を構え汗がしみこむ袴かな        霧島市立霧島中1年 鎌田 龍聖
 
  打水や祖母の得意なスープカレー         武岡台高2年 壽福このか
 
《福永耕二》(1938.1.4〜1980.12.4)
鹿児島県南九州市川辺町生まれ。ラ・サール高校在学中に水原秋桜子の主催する俳誌「馬酔木(あしび)」に投句。鹿児島大学在学中、20歳で初巻頭。1965年に上京、千葉県の私立市川高校に勤務。1971年にわずか32歳の若さで馬酔木編集長を務めるも、1980年に42歳の若さで志半ばにして死去。
          → http://washimo-web.jp/Report/Mag-Fukunaga.htm
  

2018.12.05
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