座喜味城郭跡はここから松林を上ったところにあります。 |
那覇空港から国道58号線を
利用して車で約50分。読谷(よみたん)村は、沖縄本島の中部西海岸の
東シナ海にカギ状に突き出た半島の村です。 |
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松林を上りきると座喜味城の正面 |
その読谷村にある座喜味城(ざきみじょう)跡を
初めて訪れたのは十数年前のことでした。石灰岩で築かれた城壁の織りなす曲線幾何学の美しさに
魅せられ、いつか写真を撮りに来たいとずっと思ってきました。
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一の郭とアーチ門 |
今回、五月の連休に
訪れた沖縄の二日目の朝、那覇市は土砂降りの雨。しかし、すでにレンタカーを借りていたので、
一先ず現地まで行ってみることに。
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二一の郭のアーチ門。アーチ中央に『クサビ石』が見えます。 |
ところが、読谷に着く頃には
幸い雨も止んでくれて、十数年振りに見る座喜味城跡をなんとか
写真におさめることができたのでした。 |
二の郭のアーチ門。向こうに見えるのが一の郭のアーチ門。 |
座喜味城は、
15世紀の初頭建築家としても名高い護佐丸(ごさまる)によって
築かれたといわれます。 |
城跡の最も高いところ(?) |
標高120m余の
名護層からなる小高い台地を石灰岩の切石積(きりいしづみ)で
取り囲んで築かれています。 |
城内は演劇が行われるなど、広く利用されているそうです。 |
城郭内の面積は
4,012m2で、沖縄のグスク(城)としては中規模のものだそうです。城は2つの郭からなる
連郭式の形態になっています。 |
井一の郭のアーチ門(左)と二の郭のアーチ門(右) |
一の郭と二の郭に
アーチの門がそれぞれ一つずつ造られていて、アーチ石のかみ合う部分には、門の表と裏両面に
クサビ石がはめられているそうです。 |
城壁の向こうに広がる読谷村の風景。 |
これは他のグスク等には
類例がみられないものであり、座喜味城のアーチ石門は沖縄の現存する
アーチの中で最古のものと見られています。 |
生き生きと生えた草が城跡の雰囲気を醸し出していました。 |
座喜味城跡は、
1977年の本土復帰に伴って国の史跡に指定され、翌年の10月から沖縄県ではじめて史跡整備事業が
文化庁と県の補助を受けて開始されました。 |
石灰岩の石を緻密に積んでつくられた城壁。 |
整備事業に伴う
遺構発掘調査において、15世紀から16世紀までのものと見られる中国製の青磁(せいじ)や
陶器、古銭などが出土したそうです。 |
雨上がり、地面の赤色が一段と鮮やか |
城跡は、
第二次大戦において一の郭内に日本軍の高射砲陣地が築かれ、戦後には米軍の
レーダー基地が置かれました。 |
曲線が織りなす美しさに魅せられます。 |
米軍のレーダー基地が
置かれため一部の城壁が破壊されましたが、整備の始まった翌年返還され、
城壁の復元が行われ1982年に完了しました。 |
児見物客がひっきりなしに訪れていました。 |
2000年11月、
首里城跡などとともに、琉球王国のグスクおよび関連遺産群としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に
登録されました(登録名称は座喜味城跡)。 |
一の郭のアーチ門から二の郭のアーチ門へのアプローチ |
城壁の上に立つと、首里・那覇をはじめ
本島西側本部(もとぶ)半島や東シナ海に浮かぶ慶良間(けらま)諸島・久米島・伊江島・
伊江屋諸島が眺望できる要害の地であることがわかります。 |
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