♪Prologue
Kaseda Music Labo
鞆の浦 − 広島県福山市
                        (
福山駅南口のバス乗場で鞆鉄(ともてつ)バスに乗って揺られること約30分。バスは、沼隈半島の東沿岸を南下し、南端に位置する小さな港町に着きます。鞆の浦(とものうら)は、瀬戸内海を行き交う船の『潮待ち風待ちの港』として古代から栄えた町で、江戸・明治期に建てられた商家や町家の佇まいに触れることができます。また、日本で最初の国立公園の一つとして指定された、瀬戸内海国立公園を代表する景勝地でもあり、多くの文人墨客が訪れました。音楽家の宮城道雄は、鞆の浦の海をイメージして『春の海』を作曲し、宮崎駿監督は、2008年夏公開の長編アニメ『崖の上のポニョ』の構成をここで練ったといわれます。そんな鞆の浦の風景の一端をアップロードしました。           (旅した日 2007年06月)  


(とも)
常夜燈のある風景
常夜燈(写真の左)と坂本龍馬の『いろは丸展示館』(中央の建物)は鞆港のシンボル的風景です。常夜燈は、船の出入を誘導する燈台で、鞆では『燈籠塔』(とうろどう)と呼ばれてきました。安政6年(1859年)建造のものといわれます。
商家、町家の甍波
鞆港の背後に迫る山の麓に鞆城がありました。鞆城跡には今、歴史民俗資料館が建てられています。歴史民俗資料館から眺める鞆港は、商家、町家の甍(いらか)波が綺麗でした。。
広島県と福山市はこの鞆港の沿岸約2ヘクタールを埋め立てて橋を架ける計画だそうです。当地の事情や実情はわかりませんが、万葉集にもうたわれた鞆港の歴史的景観が損なわれるのは残念だなと思います。
いろは丸展示館
慶応3(1867年)、坂本龍馬と海援隊を乗せた『いろは丸』は、鞆の浦沖で紀州藩の軍艦と衝突沈没します。龍馬らは鞆の回船問屋升屋に数日滞在しました。『いろは丸展示館』(写真上)は、江戸時代の蔵を展示館にしたもので、いろは丸の模型や大理石のドアノブなどの引揚げ物が展示されています。
町並み
守りたい鞆の浦の町並み
瀬戸内海は、東を紀伊水道(和歌山県と徳島県に挟まれた海域)を入口に、西を豊後水道(大分県と愛媛県に挟まれた海域)を入口にし、それらのほぼ中央付近に位置するのが鞆の浦です。
満潮時に東西の入口から瀬戸内海に流れ込んできた海水は瀬戸内海のほぼ中央に位置する鞆の浦付近でぶつかり、逆に干潮時には鞆の浦を境にして東西に分かれて流れ出してゆきます。つまり鞆の浦を境にして潮の流れが反対になるわけです。
したがって、船が風と潮の流れを利用していた時代、鞆の浦は、古くより『潮待ち風待ちの港』として栄え、また大陸との交易も盛んでした。江戸時代には北前船が往来し商人の町として栄え、今も、名所、旧跡、古寺が数多く点在し、様々な商家の遺構を見ることができます。
鞆の浦は宮崎駿監督お気に入りの港町で、2008年公開の『崖の上のポニョ』の構成は鞆の浦で練ったといわれます。その宮崎駿監督や大林宣彦監督らが地元NPOと協力して、鞆の浦の町並みを保存するための基金の設立準備を進めているそうです。
保命酒の入江豊三郎本店
保命酒(ほめいしゅ)は、鞆の浦が名産のアルコール度数約14%の薬用酒です。正式万治二年(1659年)、上方大坂の漢方医・中村吉兵衛によって元々、鞆の浦で醸されていた吉備の旨酒に、中国産の生薬十六種を浸け込んで造られた出したもの。現在も入江豊三郎本店(写真上)をはじめとして4つの酒蔵で製造されています。
鞆の津の商家
上の写真の建物は福山市重要文化財に指定されているもので、母屋、土蔵とも江戸末期の商家だったそうです。
太田家住宅・朝宗亭/鞆七卿落遺跡
保命酒(ほうめいしゅ)で財をなした保命酒屋の屋敷(18世紀中頃〜19世紀初期の建物)を、明治時代に太田家が受け継いだもので、別邸の『朝宗亭』とともに国の重要無形文化財に指定されています。維新の夜明けも近い1863(文久3)8月18日、尊皇攘夷を主張する三条実美ら7人の公家は会津や薩摩などの公武合体派に追われ長州を頼って都落ちをします。その途上、鞆の港に投錨した一行は、旧保命酒屋に立ち寄り、三条実美は、世に有名な保命酒をたたえる和歌を残しました。激動の幕末の様子を伝える『七卿落遺跡』とも言われています。
弁天島

鞆と仙酔島(せんすいじま)の間に浮かぶ弁天島は、二層の塔を擁する、鞆の浦のシンボル的存在の島です。鞆港を出発した尾道行きのミニクルージングは、この島をゆっくり一週し、弁天島にまつわる悲話を話して聞かせます。

阿伏兎(あぶと)観音
険しい海食崖が続く、福山市の沼隈半島の南端・阿伏兎(あぶと)岬にある臨済宗妙心寺派の寺院、磐台寺観音堂(ばんだいじかんのんどう)は、別名『阿伏兎観音』とも呼ばれます。断崖に岬の岩頭に建つ朱塗りの観音堂は、その美しさから安藤広重の浮世絵に描かれたり、志賀直哉の小説『暗夜行路』でも紹介されています。鞆の浦から尾道に向うミニクルージングの船上から撮影しました。

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