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旅行記 ・東郷文弥節人形浄瑠璃 − 鹿児島県薩摩川内市 2011.11.27
東郷文弥節人形浄瑠璃
(国指定の重要無形民俗文化財)
2011年11月27日、隣り町の鹿児島県薩摩川内(せんだい)市東郷町で開催された東郷文弥節人形浄瑠璃の定期公演を観にいきました。この人形浄瑠璃は、約 300年の歴史を持つ伝統芸能で、17世紀後半に上方で流行した文弥節の系統に属し、人形浄瑠璃創始期のいわゆる古浄瑠璃の面影を伝える貴重な芸能だと言われています。
国指定の重要無形民俗文化財に指定されており、また、2003年には、早稲田大学に招かれ、大隈講堂での上演を果たしています。語り太夫・三味線・太鼓・拍子木各一人と、人形遣いは男人形を一人で、女人形は二人で操ります。人形も素朴であれば、語りや人形の動きもやや単調で素朴なのが特徴とされます。 
東郷町の文弥節人形浄瑠璃は、いつ頃から行われたものなのかはっきりしませんが、元禄11年(1698年)頃参勤交代の折、島津氏の随行役をしていた東郷の郷士が、郷里の子弟の士気振作にと上方(京都・大阪地方)から文弥節の師匠を連れ帰り広めたものともいわれ、また、一説には寛文10年(1670年)頃江戸より連れ帰ったとも言われています。
江戸時代から現存している18体の人形中、東雲(しののめ)の頭の内側には寛政元年酉(1789年)大磯作也という墨書があり、歴史的に約300年の伝統ある郷土芸能です。古浄瑠璃の流派の一である文弥節は、新潟県佐渡市、石川県白山市尾口地区、および宮崎県都城市山之口町の四け所だけに残されている貴重なものとなっています。
東郷町の文弥節人形浄瑠璃は、同町斧淵の三ケ郷集落の郷士たちによって伝承され、例年神社に奉納したり、秋の収穫後のお祭りなど娯楽を兼ねて竹や丸太で茅葺きの野外劇場を作り催していたほか、個人的にも結婚式や新築祝い等にも頼まれて演じていました。
演目は『源氏烏帽子折』『屋嶋の戦い』『景清』『石童丸』など十五種目ほど伝承されていますが、現在は『常盤御前雪の段』『鞍馬下りの段』『卒塔婆引』が主として演ぜられています。この日上演されたのは『常盤御前雪の段』(源氏烏帽子折・二段目)でした。
常盤御前雪の段
〜 『源氏烏帽子折』 二段目 〜
平清盛はあらためて源氏残党や常盤親子を召し捕るようにきびしく命じます。
時は正月、雪の降りしきる寒い夜、常盤御前は幼い今若・乙若・牛若も三人を連れて伏見へ落ちのびる途中、道に迷い近くの家に一夜の宿をこうた。
ところがそこは、はからずも平家方の武将平兵衛宗清の館であった。常盤御前は『子供たちを連れて困っています。今夜一晩泊めて下さい。』と頼みますが、奥から出てきたのは源氏方の侍、盛長の妹で今は宗清のかくれ妻になっている白妙でした。白妙は宗清を気づかい常盤御前に『早く逃げてください』と言いますが、寒さと疲れのため常盤はとうとう倒れてしまいます。
子供たちは精一杯介抱し、常盤がようやく頭をあげた時、宗清が帰ってきます。宗清は常盤親子であると気付く、『雀がいるから追い払え』と白妙に言いますが白妙はききません。宗清は弓矢を取り空に矢を放つと、常盤親子はそれに驚き、雪の中を逃げていきます。
しばらくして、白妙の兄盛長は、妹の白妙を殺し宗清と勝負を決しようと宗清の館を訪ねていきますが、途中で宗清が常盤親子を捕らえずに逃がしてやったと聞き、喜んでお礼を言い東方へ落ちていくという人情豊かな物語です(以上、説明文は、公演当日受付でもらったパンフレットを参考にして書きました)。
 
問合せ先(事務局)
薩摩川内市役所東郷教育課
  〒895-1106
  鹿児島県薩摩川内市東郷町斧渕618番地4
           TEL 0996-42-0053
           FAX 0996-42-0811
 レポート ・文弥節人形浄瑠璃
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