♪トロイメライ(夢)
うっちいの音楽箱!

    
    
旅行記 ・高崎山自然動物園 − 大分県大分市  2010.12
国立公園・高崎山自然動物園
別府湾と国道10号線と『高崎自然動物園おさる館』 写真左手が高崎山
C群とB群は、時間をずらして猿寄せ場へ現れます。
高崎山のニホンザルはそれぞれがα(アルファ)オス(ボス猿)に率いられたB群、C群の2つの群に分かれ、時間をずらして猿寄せ場に姿を現します。かつてはA群も姿を現していましたが、C群との争いに敗れて頭数が激減し、平成14年(2002年)6月を最後に姿を見せなくなりました。C群(696頭)は、午前8時20分〜午後1時、B群(526頭)は午後1時〜5時の間、猿寄せ場に姿を現します(1)
  高崎山とニホンザル
別府湾に沿って走る国道10号線沿いの大分市と別府市の境界にある標高628m釣り鐘形の山が高崎山です。その高崎山の麓にある万寿寺別院の境内に、高崎山の山中に生息する野生のニホンザルに餌付けを行う猿寄せ場が設けられており、観光客は檻(おり)を隔てずに自然のニホンザルの姿を見ることができます。宮崎県の幸島と並んで『日本のサル学発祥の地』ともいわれます。
ただ今1222頭(C群696頭、B群526頭)です。
高崎山の麓にある『高崎山自然動物園』の入口。線路はJR日豊本線
石垣に登って観客を迎えるサル
そこで、昭和27年(1952年)当時、大分市長だった上田保さん(故人)は、高崎山周辺の農家に農作物被害を及ぼしていたサルを一ヵ所に集め、被害防止と同時に観光資源にしようと試みます。
  餌付けの歴史 
高崎山には古くから野生のサルが住んでおり、1940年(昭和15年)には100頭以上を数えるようになり、終戦直後には200頭程度にまで増えて農作物への被害が深刻となりました。
観客を迎えるサル
こちらは、万寿寺別院の鐘楼台で毛繕い中の二匹のサル。どういう関係?
フェンスで遊ぶやんちゃ盛りのサル
すると、人間を警戒していたサルたちも徐々に餌を食べるようになり、餌付けが軌道に乗った1953年(昭和28年)3月15日、高崎山自然動物園として正式に開園しました(1)
上田さんはポケットマネーで準備したリンゴを餌にして、ホラ貝を鳴らして餌付けを試みますがなかなかうまくいきませんでした。そこで、万寿寺別院の大西和尚(故人)のアイデアでさつま芋の餌に変更してみました。
参道の林で木の実をあさるサル
『本堂建設用地』と書いた看板が見えます
何を考えている?・・・
昭和29年(1954年)には、万寿寺別院から本堂建設のため猿寄せ場移転の申し入れがありましたが、協議の結果、猿寄せ場を継続する代わりに、損害補償として年間総売上の20%を万寿寺に支払うことで合意したそうです(2)。現在も猿寄せ場には『本堂建設用地』の看板が立てられています。
その際、上田さんの発案で、料金の表示を『小人十円、大人は小人並』としたことも話題を集めたそうです(2)。同年のうちに、高崎山が阿蘇国立公園(現阿蘇くじゅう国立公園)に指定されるとともに、高崎山の猿および猿生息地が国の天然記念物に指定されました。
ストーブで暖を取るサル。体調がすぐれないよう?
 真剣な眼差し・・・
四ひき家族で・・・。
サルにも後姿があるんだよ・・・。
平成16年(2004年)には、高崎山の入口から猿寄せ場までを4分で結ぶ2両編成、定員40名の小型モノレール(スロープカー)『さるっこレール』が運行を開始し、坂道や階段を登らずに猿を観察できるようになりました。
昭和30年(1955年)には、上田さんをモデルに猿の餌付けなどを描いた火野葦平の小説『ただいま零匹』が朝日新聞夕刊に連載されるとともに、後には映画化もされて知名度が高まったそうです(2)
なんとも楽チン、楽チン・・・。
C群696頭の餌やり開始。係員によってまかれるのは生麦です。
切り株に乗って餌を待つαオス(ボス猿)のゾロ
アルファはギリシャ語のアルファベットの最初の文字で、英語で『第1位』などの意味もあります。C群のαオスであるゾロ(写真上、右)は、2010年3月に11年4ヶ月に達し、歴代最長だそうです。また、B群のドラゴン(5年6ヶ月)は、生まれつき手の指が右2本、左3本しかなく、しかも電車にはねられ右腕を失ったにもかかわらずαオスとなったのだそうです(2)
   α(アルファ)オス
群れの中で最も序列が高い個体を指す呼称を以前は『ボス猿』と呼んでいましたが、現在は『αオス』という呼び方に改められています。ニホンザルの群れの中に個体間の優劣関係はあるものの、最上位の猿が『外敵に立ち向かう』『群れを率いる』などのボス的な行動を取らないことが近年の研究で分かったためだそうです。
   (47News 2004/02/16より) 
切り株の上に餌が配られました。
C群のαオス(ボス猿)のゾロは一段高い切り株に乗って餌を食べます。
 
【参考サイト】
(1)国立公園 高崎山自然動物園公式ホームページ
(2)
ウィキペディアの『高崎山自然動物園』のページ
 
 ことばの起源〜猿の毛づくろい、人のゴシップ
あなたは累計
人目の訪問者です。
 

Copyright(C) WaShimo All Rights Reserved.